2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトVII型コラーゲン含有ミルクによる表皮水疱症の治療
Project/Area Number |
22791047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 圭 北海道大学, 病院, 助教 (20421977)
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Keywords | 皮膚病理学 / 蛋白補充療法 |
Research Abstract |
研究計画-1:トランスジェニックマウスからの母乳の作出 βカゼインをプロモーターとし、ヒトVII型コラーゲン遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを作成し、搾乳対象となる雌トランスジェニックマウスの量産体制を確立した。作成したトランスジェニックマウスは、尾からDNAを抽出し、PCR法にてヒトVII型コラーゲン遺伝子が組み込まれていることを確認した。乳汁量増加を企図してオキシトシンの腹腔内注射法を検討した。乳汁最大分泌期である出産後13~14日後のトランスジェニックマウスにオキシトシン腹腔内注射を行って搾乳した。コントロール群に比して5~10倍の乳汁量増加を確認した。これらの結果から逐次搾乳を継続してヒトVII型コラーゲン含有乳汁を蓄積する。 研究計画-2:乳汁中のヒトVII型コラーゲン蛋白発現の確認 作成した乳汁分泌期トランスジェンクックマウスより乳汁を搾乳し、ウェスタンブロット法により290kDのヒトVII型コラーゲン蛋白の発現を確認した。乳汁中のヒトVII型コラーゲンは出産20日後の乳汁中でも発現し、再出産時にも確認できた。βカゼインをプロモーターとした本トランスジェニックマウスは安定的にヒトVII型コラーゲン蛋白を発現することを確認した。 研究計画-3:乳汁からのヒトVII型コラーゲン蛋白の精製 蓄積した乳汁を硫安塩析し、限外濾過により濃縮を行った。引き続いてヒトVII型コラーゲンモノクローナル抗体を用いたアフィニティクロマトグラフィーを行ってヒトVII型コラーゲンを精製した。 研究計画-4:研究計画が順調に進捗したため、ヒトVII型コラーゲン含有乳汁、精製ヒトVII型コラーゲンの投与実験を開始した。コントロールマウスへの経口投与によって臨床的・組織学的な変化無く副作用を否定し得た。
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