2010 Fiscal Year Annual Research Report
難治性気分障害の新規治療標的の探索~成体海馬神経新生の分子機構の解明から
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22791102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朴 秀賢 北海道大学, 病院, 助教 (60455665)
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Keywords | 気分障害 / 成体海馬神経細胞新生 / FGF / GSK-3β / β-catenin / ROCK |
Research Abstract |
1)FGFおよび糖質コルチコイドのROCK2発現調節機構の解明 FGFがSH-SY5Y細胞においてROCK2の発現を促進し、糖質コルチコイドアナログであるdexamethasone (DEX)がROCK2の発現を抑制することを既に定量RT-PCRにより見出していたが、これらをWestern Blottingにてタンパクレベルにおいても確認した。現在、グルココルチコイド受容体が実際にROCK2の発現を直接抑制するのか否かを確認すべく、Gel-Shift assayとluciferase assayを行う準備をしているところである。 2)FGF/ROCK2のGSK3β活性調節機構の解明 ROCK2がGSK3βのTyr216リン酸化を抑制することを更に確認すべく、今まで行ってきた阻害薬による実験に加えてROCK2のoverexpressionを行う必要があると思われ、その準備を現在行っているところである。同時に、他の細胞系でGSK3βのTyr216リン酸化を直接行うことが知られているPYK2においてその活性化に重要な残基のリン酸化がROCK2によって抑制されるか否かを検討する予定である。また、PYK2の関与を検討すべく、siRNAによるPYK2のknockdownおよびoverexpressionを行うための準備も行っているところである。 3)ROCK2およびGSK3βのin vivo neurogenesisにおける機能解析 ROCK2、GSK3βが実際にin vivoで成体海馬歯状回の神経前駆細胞に発現していることを確認すべく、これらの分子と神経前駆細胞のマーカーである転写因子SOX2のリボプローブを作成して多重in situ hybridizationを行ったところ、GSK3βは確かにin vivoの成体海馬歯状回の神経前駆細胞に発現していることを見出した。ROCK2については現在行っているところである。また、海馬歯状回への局所注入を行うべく、レトロウイルスを用いたoverexpressionの系の構築を現在行っている。
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Research Products
(3 results)