2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性気分障害の新規治療標的の探索?成体海馬神経新生の分子機構の解明から
Project/Area Number |
22791102
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朴 秀賢 北海道大学, 大学病院, 助教 (60455665)
|
Keywords | 気分障害 / 成体海馬神経細胞新生 / FGF / GSK-3β / β-catenin / ROCK |
Research Abstract |
糖質コルチコイドアナログであるdexamethasone(DEX)によるGSK3βのTyr216リン酸化増加にROCK2が関与していること及びFGF2がROCK2の発現を増加させることを既にSH-SY5Y細胞を用いたin vitro実験により示している。そこで、ROCK2が実際にin vivoにおいてFGF2やDEXの成体海馬神経細胞新生への作用に関与しているかどうかを検討すべく下記の研究を実施した。(1)ROCK2が実際にin vivoで海馬歯状回の神経前駆細胞に発現しているのかを明らかにすることを目的に、多重in situ hybridizationを試みた。神経前駆細胞のマーカーとしてはSOX2を採用し、SOX2とROCK2のribo probe用プラスミドを構築してriboprobeを合成し、in situ hybridizationを行った。SOX2は神経前駆細胞が存在する海馬歯状回の顆粒細胞層下帯に比較的特異的に染色され、riboprobeが適切に作成されたことが確認された。しかし、ROCK2のriboprobeはなかなか適切に染色されるものが得られず、複数のriboprobeを作成して検討しているところである。(2)ROCK2を成体ラット海馬歯状回で強制発現およびノックダウンすることを目的に、レトロウイルスベクターの作成を試みた。In vivoで使用する前にin vitroで予備的検討を行ったが、ウイルスは十分量得られたにもかかわらずなかなか十分に感染せず、レトロウイルスを断念してレンチウイルスを使用することに変更し、現在レンチウイルスベクターを作成しin vitroでの予備的検討を行なっているところであるが、こちらの方は感染させ強制発現およびノックダウンを行うことに成功した。今後、in vivoでの使用に向けて更なる検討を行なっていく予定である。
|