2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における統合失調症のゲノムワイド関連研究およびそのフォローアップ
Project/Area Number |
22791120
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
ALEKSIC Branko 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (60547511)
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Keywords | 統合失調症 / 認知機能障害 / 全ゲノム関連解析 / MAGI2 / WCST / 実行機能 |
Research Abstract |
1.研究目的 認知機能障害は統合失調症の中核症状であり、その病態にはシナプス可塑性の障害が想定される。シナプス足場タンパク質の1つ、MAGI2は脳特異的発現を示し、シナプスでグルタミン酸受容体を含む多様な機能分子と相互作用し、認知機能に関与すると考えられる。本研究ではMAGI2の遺伝子多型と統合失調症の関連を遺伝統計学的に検討する。さらに統合失調症に関連した認知機能障害とMAGI2との関連を検討する。 2.研究方法 日本人統合失調症の全ゲノム関連解析(JGWAS)の結果に基づき、候補遺伝子多型(SNP)を選択し、独立サンプルを用いて統合失調症との関連を検討した。さらにそのSNPが実行機能(executive function)に与える影響をWisconsin Card Sorting Test(WCST)のデータを用いて検討した。 3.研究結果及び考察 JGWASのデータに基づいて選択されたMAGI2領域の4つのSNPは独立サンプルで関連が再現されなかったが、両サンプルセットのjointanalysisでは2つのSNPが関連を示した(rs2190665:p=0.0033, rs4729938:p=0.027)。次にこのSNPとWCSTの得点の関連を検討し、患者を対象にした検討から、rs2190665のGアレル(protectivea llele)保有者は得点が有意に高いことが明らかになった。以上から、統合失調症と関連したMAGI2は統合失調症で認められる認知機能障害、特に実行機能障害にも関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)