2010 Fiscal Year Annual Research Report
主観的認知障害(SCI)を対象としたアルツハイマー病の早期診断に関する研究
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22791138
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
木内 邦明 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20398449)
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Keywords | 拡散テンソル / SCI / 物忘れ / 認知症 / トラクトグラフィー / 主観的認知障害 |
Research Abstract |
Subjective cognitive impairment (SCI)は認知機能は正常であるが、主観的記憶障害があることで特徴づけられており、年7-8%がmild cognitive impairment (MCI)に移行することが知られている。同様に、MCIは年10-15%が認知症に移行することが知られている。そのため、SCIが認知症早期診断においてその重要性が着目されているが、拡散テンソルトラクトグラフィーを用いた報告はまだなされていない。大脳白質の肉眼ではわからないような、わずかな異常を捉える事が出来る拡散テンソルトラクトグラフィーを用いて、認知症に至るごく早期の異常を捉える。今年度はこの一年間に対象(SCI群は申請者が所属する大学の「物忘れ外来」を受診した、ウェクスラー記憶検査(WMS-R)の下位項目である論理記憶を含む神経心理学的検査において認知機能が正常の者である。非SCI健常群は当大学のある地域の高齢者である。aMCI群及びAD群は「物忘れ外来」通院中の者を対象とし、可能な限り年齢性別をそろえた。)となる主観的物忘れを訴える対象者を22名、コントロールを56名、アルツハイマー病35名、軽度認知障害33名の画像(画像撮影は本学、放射線科)および神経心理学的検査のデータ収集が終了した。解析(東大病院放射線科が開発したフリーウェアを使用)には主観的物忘れを訴える対象者をさらに増やす必要があるが、他の群でほぼ目標数が集まったといえる。また、拡散テンソル画像の処理を行うために、パソコンを購入し、現在集まった症例で画像処理を遂行中である。具体的な研究成果は本秋以降に行われる学会にて発表する予定であり、今年度中の雑誌投稿をめざしたい。
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