2011 Fiscal Year Annual Research Report
Seed and Soil理論に着目した尿路上皮癌所属リンパ節の新規病理診断
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22791462
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 崇重 北海道大学, 大学病院, 助教 (10399842)
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Keywords | 尿路上皮がん / 所属リンパ節 / リンパ管新生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、手術で得られた所属リンパ節検体に関して、免疫組織学的手法を中心に用いて、詳細に観察することで、通常のHE染色のみでは評価困難な原発巣(seed)の転移樹立能を、その土壌(soil)側から評価した新しい病理診断法を樹立することである。 まず、尿路上皮癌における微小リンパ節転移の頻度について、サイトケラチン染色を用いてリンパ節転移の有無を再評価する研究を行った。腎孟尿管癌に関しては通常のHE染色でリンパ節転移なしと診断された症例の約一割で微小リンパ節転移を認めることを明らかにし、論文を発表した(Abe et al. European Journal of Surgical 0ncology 2010)。また現在、腎孟尿管癌に対し積極的に行われる腹腔鏡下腎尿管全摘除術においても、開腹手術と同等のクオリティでリンパ節廓清が安全に施行できることを明らかにし、論文発表した(Abe et al. Journal o fEndourology 2011)。 微小リンパ節転移に関しては、さらに北海道大学病院泌尿器科、北海道がんセンター泌尿器科、市立札幌病院泌尿器科での多施設共同前向き研究として、膀胱癌及び腎孟尿管癌に関して、あらかじめ定義したリンパ節廓清範囲を前向きに施行している。現在、膀胱癌26例、腎孟尿管癌35例の登録があり、膀胱癌に関して4/26例でリンパ節転移を認め、さらにpNOと判断された22例中、サイトケラチン染色で2例(約9%)の微小リンパ節転移を認めており、現在症例を蓄積中である。(膀胱癌、腎孟尿管癌における至適郭清範囲に関する前向き観察研究,UMIN試験ID:UMIN000003279)その他、尿路上皮癌におけるリンパ管新生関連因子の発現量、所属リンパ節におけるリンパ管新生に関して解析中である。リンパ管新生関連因子の発現量に関しては、リアルタイムPCR法を用いて、VEGFC,DのRNA発現量は尿路上皮癌45例(膀胱癌20例、腎孟尿管癌25例)においてC,DともにpT2以上の症例で、pT1以下の症例に比較して有意に発現が高いことを確認した(未発表データ)。またリンパ管新生の程度に関しては、D2-40抗体を用いた免疫染色法でリンパ管密度と臨床病理学的特徴との関連を評価中である。
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Research Products
(7 results)