2010 Fiscal Year Annual Research Report
マウス閉塞性水腎症に対する新規AP-1阻害剤による腎線維化の制御
Project/Area Number |
22791499
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 高宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00407090)
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Keywords | 水腎症 / 線維化 |
Research Abstract |
1)マウス水腎症モデルの作成 マウスを腹腔内麻酔投与下、尿管を結紮し水腎症モデルを作成した。 尿管結紮手術後、3日目、5日目、7日目、10日目、14日目、28日目、42日目と日数を変えてから両側腎臓(水腎症側と健側)を摘出しホルマリン固定ならびに-80℃deep freezer用に分けて保存した。 2)水腎症モデルにおける腎線維化の時系列評価 マウス水腎症において、各種サイトカインがどのように変化を起こしているのか、免疫組織学的に検討を行った。1)で摘出した腎臓を健常腎、閉塞腎それぞれの形態的変化を肉眼的に観察し、摘出腎臓の重量を測定した。間質の線維化はMasson's Trichrome染色およびcollagen III、fibronectinを免疫組織学的ならびにmRNAの測定で検討した。尿細管アポトーシスをTUNEL法を用いて検討した。 Masson Trichrome染色に於いては諸家の報告の通り、3日目から線維化が生じ日数を経るごとに線維化の程度は強くなった。今後、線維化に関与するサイトカインがどのような時系列変化を生じているか評価検討していく予定である。 3)新規薬剤DTCM投与における水腎症モデルに対する効果腎線維化 1)と同様に水腎症モデルを作成し、水腎症作成翌日から連日7日間、本薬剤を30mg/kgで経腹腔的に投与を行いその効果・有用性につき2)と同様の方法で検討を行った。Masson染色における評価では、2)の薬剤非投与群と3)の薬剤投与群では線維化の程度には統計学的な有意差はなかった。In vivoにおける薬物動態および本剤の有効性を評価するため、現在、投与日数や投与方法および投与量を変えて今後同様に評価を行っていく予定である。
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