2011 Fiscal Year Annual Research Report
メントールとカプサイシンが鼻炎、副鼻腔炎の病態生理に及ぼす影響
Project/Area Number |
22791638
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
都築 建三 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50441308)
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Keywords | 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 / 嗅覚障害 / 鼻腔内ポリープ / シート式嗅覚検査 / 鼻腔通気度 / 内視鏡下鼻副鼻腔手術 / 下鼻甲介手術 |
Research Abstract |
平成22~23年度に我々は鼻閉に対する下鼻甲介外来手術を行ったアレルギー性鼻炎症例を147例経験し、入院で内視鏡下鼻副鼻腔手術を行った鼻副鼻腔疾患症例を326例経験した。初年度は、鼻の主機能である呼吸と嗅覚に関して、当科で現在までされていなかった研究を遂行できる環境を整えた。すなわち、鼻腔通気度計を購入して鼻手術前後の鼻内の通気性を測定できようにし、また新しい嗅覚検査としてシート式嗅覚検査(OPENESSENCE)キット(メンソールを含む)を購入して他の検査(「日常のにおいアンケート」、アリナミン検査、T&Tオルファクトメーター)とともに嗅覚の評価を行った。特に嗅覚障害を伴った慢性副鼻腔炎手術症例については、嗅力の術前後の変化ついて調査してESSの有効性について検討した。自覚症状の改善度、検査結果、術中・術後所見のデータはパーソナルコンピューターに入力して解析した。また、慢性副鼻腔炎に対する術中所見はデジタル・ビデオで記録した。手術中および術後の所見は、正常、浮腫状、ポリープ状の3段階に分けて評価し、現在は容易に評価できる鼻内所見のスコア化を試みている。鼻腔ポリープと下鼻甲介および中鼻道粘膜を採取したが、副鼻腔粘膜の採取は困難であった。鼻・副鼻腔粘膜におけるメントール、カプサイシンの受容体発現を調査する基礎実験を現在も進行中である。現在は、ポリープの好発部位である中鼻道粘膜と下鼻甲介粘膜との組織学的相違を免疫組織化学法で観察を試みている。主な研究成果の発表は、平成23年9月に東京都で開催された鼻科学の国際学会のシンポジウムでアンケート法「日常のにおいアンケート」の有用性について講演した(成果は国際学術雑誌Auris Nasus Larynxに掲載)他、10月に第50回中部医学検査学会で嗅覚に関する教育講演、12月の日本鼻科学会で発表して鼻科学専門の先生方と治療効果法の改善、普及のための意見交換をした。
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Research Products
(13 results)