2010 Fiscal Year Annual Research Report
加齢によるマイボーム腺機能不全ドライアイの病態生理
Project/Area Number |
22791694
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
イブラヒム オサマモハメドアリ 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (90528340)
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Keywords | マイボーム腺 / ドライアイ / 酸化ストレス |
Research Abstract |
我々はSOD1ノックアウトマウスと野生型のマウスの眼表面、涙液中、血液中の炎症性サイトカインの定量を行い、SOD1ノックアウトマウスでは野生マウスに比較して角膜上皮の高度な障害およびマイボーム腺の消失を認めた。SOD1ノックアウトマウスのマイボーム腺房周辺に炎症細胞の浸潤、涙液に炎症性サイトカイン濃度の上昇(特にIL-6およびTNF-alpha)を認め、これら変化と同時にマイボーム腺周辺に著しい瘢痕化が生じたことが明らかになった。またマイボーム腺における酸化ストレスマーカーの定量を行った結果ノックアウトマウスでは野生マウスに比べ脂質における酸化ストレスマーカーの増加を認めた。SOD1ノックアウトマウスのマイボーム腺分泌物(脂質)の変化を評価するためにOil Red-0染色を行い、SOD1ノックアウトマウスでは分泌物顆粒が減少している可能性を認めた。またSOD1ノックアウトマウスのマイボーム腺房上皮細胞におけるアポプトーシスの有意な増加を認め、細胞増殖markerのKi67染色において染色陽性のSOD1ノックアウトマウスのマイボーム腺房上皮細胞数が有意に減少していることも明らかになった。本研究の現在の結果よりSOD1ノックアウトが腺組織での炎症の引き金となり、マイボーム腺房上皮細胞死および線組織の消失が招かれ、ドライアイに伴う角膜上皮障害が発症したことが示唆された。現在のdataを英文論文にまとめて今年中に投稿する予定である。
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