2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的光散乱法による非侵襲的前房内組成定量装置の開発
Project/Area Number |
22791699
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
忍田 太紀 日本大学, 医学部, 助教 (00459885)
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Keywords | 外科系臨床医学 / 眼科学 / 眼医工学 / 動的光散乱法 / 前房内組成 |
Research Abstract |
研究の全体構想である、重篤な眼疾患であるぶどう膜炎や術後炎症の病態をより詳細に把握し、最適な診断法・治療法を確立するために、人眼の前房内に含まれるタンパク質や種々の生体分子の組成に関する情報を、非接触・非侵襲で得るための装置を開発中である。 平成23年度は、そのプロトタイプを完成し、動物実験を行うために必要なin vitroでの実験を行っている。これと平行して、動物実験で使用する前房内炎症惹起物質である、エンドトキシン溶液およびエンドトキシンを溶解させたヒアルロン酸ナトリウム溶液のエンドトキシン定量実験を行った。その成果を平成23年7月に京都で行われた第45回日本眼炎症学会および平成23年10月に米国オーランドで行われたAmerican Academy of Ophthalmology 2011 Annual Meetingでのシンポジウム「TASS:Definitions,Etiologic Identification,and Mitigation」で講演した。現在ISO(国際標準化機構)では、眼科手術用ヒアルロン酸ナトリウム製剤中のエンドトキシン濃度の規制値強化を検討しており、今回の報告内容はその新しい規制値の根拠やその測定方法、測定精度の向上に寄与する内容である。 これらに合わせて、本研究が臨床上対象とする感染性および非感染性ぶどう膜炎疾患、術後炎症疾患および非炎症性前眼部疾患の病態や臨床像を明らかにするために、市販の非接触・非侵襲前眼部観察装置である前眼部光干渉断層計を用いた臨床例の観察、解析を行い、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験器機の開発の遅れがあったものの平成24年度前半には動物実験を行うことが可能な状況である。また、動物実験を行うために必要な学内手続き、器機、試薬、家兎等の準備は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、動的光散乱法を用いた、前房内に含まれるタンパク質や種々の生体分子の組成に関する情報を、非接触・非侵襲で得るための装置のプロトタイプを用いて動物実験を行い、その成果を学会発表、論文作成を行う。また、平成23年度に行ったヒアルロン酸ナトリウム溶液のエンドトキシン定量実験の結果を平成24年5月6日~平成24年5月10日に米国フォートローダーデールで行われる2012 The Association for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO)Annual Meetingで演題名「Determination of endotoxin concentration in hyaluronic acid by the light scattering method」として発表し、論文作成を行う予定である。
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Research Products
(6 results)