2010 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺多形性腺腫における低酸素応答性増殖機構:SM-AP細胞系による解析
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22791810
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
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Keywords | 唾液腺多形性腺腫 / 低酸素 / HIF-1α / VEGF / pVHL / SM-AP / Perlecan / fibronectin |
Research Abstract |
本年度は以下の実験をおこなった。 1)HIF-1a分解関連分子VHL遺伝子解析 多彩な間質表現をしめす唾液腺多形性腺腫由来細胞系であるSM-AP細胞より通法にてDNAを抽出し、PCR法にてHIF分解制御分子VHI遺伝子の各exon1~3および各exon間のintron領域を増幅し、増幅産物をアガーロスゲル電気泳動で確認したのちにカラム精製し、ダイレクトDNAシークエンス法にて、VHL遺伝子の変異の有無を確認した。その結果、導管上皮細胞性格のSM-AP1および筋上皮細胞性格のSM-AP4ともにexon1~3領域には遺伝子変異はなかったが、exon1と2の間のintron領域に1塩基変異がみとめられた。 2)HIF-1a分解関連分子VHL蛋白質解析 SM-AP細胞を1.2x10^4個をチャンバースライドに植え込み通法とおり5日培養したのち、さらに通常の培養条件(10%FCS/5%CO_2)と低酸素条件(1%O_2/5%CO_2/94%N_2)とで5時間培養した後、4%パラフォルムアルデヒドで固定後、抗VHL抗体をもちいて、その発現動態を蛍光抗体法にて検討した。昨年平成21年度、免疫沈降法/ウエスタンブロッティング法にて確認した結果と同様に、SM-APのうち分化方向の互いに異なる導管上皮細胞性格SM-AP1ならびに筋上皮細胞性格SM-AP4のいずれにおいても、VHL発現は低酸素条件下でより低下していた。 3)SM-AP細胞系の細胞外基質(ECM)遺伝子解析 ヌードマウス移植腫瘍実験に先立ち、SM-AP1とSM-AP4におけるECM発現について試験管内で比較した。両細胞を通常の培養条件(10%FCS/5%CO_2)と低酸素条件(1%O_2/5%CO_2/94%N_2)とで5時間培養後、RNAを抽出・精製し、cDNAを調整して定量的RT-PCR法にて比較した。その結果、両細胞間で、SM-AP1ではperlecanおよびfibronectinが、SM-AP4ではtenascinが高発現していることが確認された。
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Research Products
(6 results)