2011 Fiscal Year Annual Research Report
力学親和性を有する新規チタン合金とリン酸カルシウム成膜法の生体内評価
Project/Area Number |
22791861
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 祐子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (20451528)
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Keywords | インプラント / RFマグネトロンスパッタリング / インターフェイス / 低弾性Ti合金 / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
本研究は,生体骨と力学的に調和した歯科用インプラントマテリアル開発を目的として,低弾性を有する新規チタン合金と,オッセオインテグレーションの早期獲得が期待されるリン酸カルシウムコーティングに着目し,これらが歯科インプラント治療にとって非常に重要な因子である,オッセオインテグレーションに与える影響について,生物学的・力学的な観点から生体親和性を検討するため,動物モデルを用いて評価した. 本年度は,昨年度の予備実験から得られた結果の再現性と,更なるバイオマテリアルの改善のために,追加実験を行った. 東北大学金属材料研究所にて低弾性チタン合金である,Ti-29Nb-13Ta-4.6Zr(TNTZ)を作製し,表面にRFマグネトロンスパッタリングによるリン酸カルシウムコーティングを施した.試料のサイズは,φ1mm×2mmのシリンダー型ミニインプラントとし,10週齢雄性Sprague-Dawley系ラットの大腿骨に埋入,2,4,8週の飼育期間後,過剰麻酔により安楽死させ大腿骨を摘出した.摘出した試料に対して打ち抜き試験を施行しPush-in test Valueとして算出することで,オッセオインテグレーションの強度を評価した.飼育8週において,ACPコーティング群は未加工群と比較して有意にPush-in Valueは大きい値となった. これらの結果から,TNTZ合金が有する低弾性,およびRFマグネトロンスパッタリングによるリン酸カルシウムコーティングの有効性,長期的予後が良好であることが示唆された.これらの知見は低弾性チタン合金のインプラントマテリアルへの応用と生体と力学的に調和するインプラントマテリアル開発の意義を明確に示すものである.
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[Presentation]2011
Author(s)
Shiraishi N, Tu R, Suzuki Y, Anada T, Uzuka R, Goto T, Sasaki K, Suzuki, O
Organizer
14th meeting of the International College of Prosthodontists
Place of Presentation
Hawaii, USA
Year and Date
20110908-12
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