2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニアインプラントの軟組織における生体適合性評価と効果的除染法の確立
Project/Area Number |
22791896
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武内 博信 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (70452951)
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Keywords | ジルコニア / インプラント / 軟組織 / 除染法 |
Research Abstract |
インプラント治療の偶発症であるインプラント周囲炎は、治療の適応拡大に伴い増加することが懸念される。インプラント周囲炎予防の観点から、マージン部の軟組織の結合は、細菌侵入を防ぐバリアとして非常に重要である。近年、ジルコニアは審美性と機械的強度からインプラント治療において注目され、アバットメントをはじめ、フィクスチャーもすでに臨床応用されつつある。そこで本研究は、新規インプラント材料であるジルコニアにおける軟組織の結合および細菌の付着に焦点を当て、ジルコニアの生体適合性と効果的除染法を解明することを目的とする。 本年度の研究では、ジルコニアの軟組織における生体適合性を評価するため、まず種々の表面粗さを付与したジルコニア試料板を作製した。イットリウム添加部分安定化型ジルコニア(Y-TZP)を用い、ポリッシング、ダイヤモンドディスクによるグラインディングおよびサンドブラスト処理を行った。これら試料板を用い、歯肉上皮細胞株であるCa9-22細胞の播種後1、3時間における初期付着への影響を検討した。その結果、明確な差は認めないものの付着細胞数はグラインディングを行った試料板の群で多い傾向が認められた。また、付着した細胞の細胞骨格をファロイジンによるF-Actin染色にて検討した結果、全ての群で良好な付着を認めた。これらの結果から、ジルコニアは軟組織の細胞において為害性はなく、またその付着を向上させるにはスムーズな表面正常ではなくある程度の表面粗さが必要であることが示唆された。
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