2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生バイオマテリアルと間葉系幹細胞併用による骨再生向上の細胞学的解明
Project/Area Number |
22791962
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小島 拓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90515777)
|
Keywords | 骨再生 / バイオマテリアル / 間葉系幹細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨細胞 / 骨質 |
Research Abstract |
【研究目的】 骨髄由来間葉系幹細胞を骨再生バイオマテリアルに播種するティッシュエンジニアリングの手法を用いることで骨再生の向上を目指すとともに、細胞イベント(骨芽細胞の分化誘導、破骨細胞と骨芽細胞のカップリング、骨細胞・骨細管系ネットワーク構築)および再生骨の骨質(bonequality)を微細構造学的・細胞生物学的に解明する。 【研究結果】 本研究計画は、平成22年度の「骨再生バイオマテリアルと骨髄由来間葉系幹細胞併用による骨再生法の確立と形態学的評価」と、平成23年度の「骨再生バイオマテリアルと間葉系幹細胞で再生された骨の「骨質」に関する多角的評価」に分けられる。平成22年度の研究では、ラット頭蓋骨にβ-TCPブロックを移植する動物実験モデルを用い、骨髄由来間葉系幹細胞より分化誘導した骨芽細胞様細胞を播種した場合(培養群)と、β-TCPブロック単独の場合(非培養群)とを比較して新生骨を経時的に観察した。その結果、培養群ではβ-TCPプロック辺縁部より中央に向かって経時的に新生骨が形成されていったが、非培養群ではβ-TCPブロック内に僅かに新生骨が形成されるのみであった。したがって、培養群では骨芽細胞様細胞群が優位に存在しているために骨再生が向上すると推測された。そこで平成23年度の研究では、上記手法で再生された骨の「骨質」を、透過型電子顕微鏡による微細構造学的観察ならびにEPMAによる元素分析学的観察により評価した。その結果、培養群の再生骨ではコラーゲン線維が整然と密に配列し、骨細胞がコラーゲン線維の走行と平行に扁平となり骨細管が伸び出しているのが確認でき、リモデリングにより良好な骨質を有する緻密骨へと改変されていくことが示唆された。また、EPMAによる元素マッピングでは再生骨が既存骨と同等のカルシウム、リン濃度を示し、石灰化が十分であることが確認できた。
|