2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性口内炎に対するメラトニンを用いた戦略的治療法の開発
Project/Area Number |
22791984
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 景子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70380029)
|
Keywords | メラトニン / 口内炎 / 口腔がん |
Research Abstract |
口腔がんの抗癌剤治療、放射線治療によって生じる口内炎に対するメラトニンの有効性を検討することを目的に、本研究を施行した。 平成23年度は以下の項目について検討を行った。 (1)ハムスター由来の口腔粘膜上皮細胞、線維芽細胞の初代培養 ゴールデンシリアンハムスターより麻酔下に頬粘膜を採取(デルマパンチ[○!R]使用)。その後、粘膜上皮細胞および線維芽細胞を初代培養し、ウェスタンブロット法によりメラトン1a受容体を確認した。 (2)口腔粘膜上皮細胞、線維芽細胞に対する抗がん剤の影響の検討 (1)で初代培養した各種細胞を3~4代継代。抗がん剤(5-FU)を培地に添加し、濃度依存的に増殖抑制することを確認した。 (3)抗がん剤により影響を受けた正常細胞に対するメラトニンの影響の検討 (2)で増殖抑制を受けた、正常細胞に各種濃度のメラトニンを添加し、経時的に増殖に対する作用を確認したところ、濃度依存的に増殖を促進する傾向が認められた(有意さは10000μMのみ添加群にて認められた。) (4)がん細胞に対する抗がん剤の作用をメラトニンが相殺しないことの確認 がん細胞として、研究室で保有するヒト口腔扁平上皮癌細胞(B88)を使用した。各種濃度の抗がん剤(5-FU)を培地に添加し、濃度依存的に増殖抑制することを確認した。その後培地にメラトニンを追却して培養したが、無添加と比較して増殖の促進は認められなかった。むしろ、軽度抑制傾向が認められた(ただし、有意差なし)。このことより、抗がん剤の作用をメラトニンを打ち消す可能性がないことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に従って、進行しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、研究計画に従って、研究を進める予定。
|