2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織におけるKeap1-Nrf2システムを中心としたレドックス制御の解明
Project/Area Number |
22792089
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
板東 美香 徳島大学, 病院, 助教 (10510000)
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Keywords | 歯肉上皮細胞 / 酸化ストレス / Keap1-Nrf2 |
Research Abstract |
本研究は、歯周組織でのレドックス制御(酸化ストレス反応)について詳細を明らかにし、新しい歯周病の予防や治療法に酸化ストレス防御機構であるKeap1-Nrf2システムを応用することを目指した基礎研究である。すなわち、酸化ストレス刺激が、歯肉上皮細胞における炎症性サイトカインおよび抗菌ペプチドの発現へ及ぼす影響を調べ、歯周組織において酸化ストレスが引き起こす組織障害や炎症増強の機構を明らかにする。H22年度は、歯周組織への酸化ストレスの影響を調べるために、株化した皮膚由来の上皮細胞にH_2O_2,UV,p.gLPS等様々な酸化ストレス刺激を与えた。H_2O 2を添加するとβdefensin-2の遺伝子発現は増加したが、UV照射した細胞では抗菌ペプチドのうちβdefensin-2,S100A7,SKALPは減少し、SLPI,LCN2には変化が認められなかった。同条件で炎症性サイトカインであるIL-1βは増加傾向が認められた。また株化した歯肉上皮細胞で酸化ストレス防御機構が作用しているかを調べるために、p.gLPSで酸化ストレス刺激を与え、抗酸化酵素群(HO-1,NQO-1,GCLC,GCLM,GSTu-1,GSTA4)の遺伝子発現をRT-PCRで確認した。p.gLPS濃度は、0.1ug/ml,1ug/ml,10ug/mlを設定し、添加後12・24時間後のRNAを抽出しRT-PCRに用いた。HO-1はLPS 1 ug/mlで増加し、NQO-1,GCLCには差が認められなかった。さらに、炎症性サイトカインはTNF-αの発現はLPS 1 ug/mlでやや増加したが、IL-6には変化が認められなかった。また、歯肉上皮細胞に酸化ストレス防御機構に関わる転写因子であるNrf2とKeap1が発現することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)