2011 Fiscal Year Annual Research Report
石灰化組織特異的である骨シアロタンパク質の細胞内局在とその分泌経路の検討
Project/Area Number |
22792100
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 直子 日本大学, 松戸歯学部, 兼任講師 (70434090)
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Keywords | 骨シアロタンパク質 / 筋芽細胞 / 骨芽細胞 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 転写因子MyoD / 転写因子Runx2 |
Research Abstract |
骨の石灰化初期に発現する骨シアロタンパク質(BSP)は石灰化の重要なタンパク質であると期待されている。BSPが細胞外マトリックスであるため、石灰化機構の解明には転写調節機構だけでなく、刺激後の細胞内シグナル伝達機構やタンパク質合成後の翻訳後修飾、輸送経路、さらには分泌後の生理作用といった項目をひとつずつ検討していくことが必要となる。そこで本研究はBSPの細胞外への分泌経路に焦点を当て、形態的手法を用いてBSPの細胞内輸送経路を同定することを目的とした。 骨誘導因子(BMP-2)存在下で筋芽細胞(C2C12細胞)は骨芽細胞様に変化する。この過程において、BSPの局在を形態的に観察するために、蛍光ラベルしたBSPの発現を共焦点レーザー顕微鏡により検討した。BMP-2処理群では24時間後より細胞の形態が変化し、BSP抗体に染まる点状の構造物が観察された。ウエスタンブロット法においてはBMP-2処理48時間後よりBSP抗体の発現が認められた。一方、転写調節はC2C12細胞のBMP-2により筋芽細胞への転写因子であるMyoDmRNAの発現を抑制し、代わってRunx2mRNAを発現し、オステオカルシンmRNAやBSPmRNAの発現を誘導した。さらにゲルシフトアッセイにより発現調節は転写因子であるSmad1,Runx2がBSPプロモーター配列に存在するHOX配列、あるいはFRE配列に結合することが明らかとなった。これらの結果は筋芽細胞様細胞C2C12細胞が骨誘導因子BMP-2により骨芽細胞に分化したことを示している。今後,電子顕微鏡を用いて詳細なBSPの細胞内輸送経路を調査していきたい。
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Research Products
(1 results)