2011 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫のアセスメント能力と看護実践能力育成のための教育プログラムの構築
Project/Area Number |
22792138
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
佐々木 百恵 福井大学, 医学部, 助教 (00422668)
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Keywords | リンパ浮腫 / アセスメント / 教育 |
Research Abstract |
本研究では,リンパ浮腫ケアの現状を把握し,看護師のリンパ浮腫に対する知識,認識,アセスメント能力,ケアの実施状況を明らかにすることで,適切な教育のあり方を検討し,アセスメント能力と看護実践能力育成のための教育プログラムを構築することを目的とし研究を推進している。 平成23年度は,まずリンパ浮腫患者に対する看護ケアの現状把握を継続し,特にハイリスク患者への予防を目的とした教育的介入,発症患者へのケアと指導を中心とした実践的介入に重点を置き情報収集を行った。その一つとして,教育・指導を中心としたリンパ浮腫ケアについての研修に参加し,リンパ浮腫ケアの現状と課題,アセスメント方法,具体的な生活指導や教育の内容等について習得し,さらなる知識を深めた。また,リンパ浮腫セラピストや,がん看護及びリンパ浮腫ケアに携わる看護師との意見交換,がんサバイバーや患者会運営者との情報交換を行った。さらに,乳がん患者会に参加し,リンパ浮腫ケアに対する思いや教育・指導状況などに関する情報収集を行い,アンケート作成に関わる資料を得た。 次にリンパ浮腫に関する看護師の主観的・客観的評価を調査するために,リンパ浮腫の知識や認識及びアセスメント能力の測定方法を検討した。その結果,American Lymphedema Instituteの"Twenty-Four Ways to Protect Yburself"の日本語版を使用し,弾性着衣などの保険適応やマッサージ等の情報を調査項目に追加することとした。この研究により,看護師の正確な知識に基づいたアセスメント能力を高める教育を推進することができる。これは,患者への適切な教育・指導につながり,患者の積極的なセルフケアの促進及びリンパ浮腫の発症・重症化の予防や早期発見を目指すことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度までにリンパ浮腫に関する現状を把握し,看護師の主観的・客観的評価の調査を実施する予定であったが,患者会への参加等により,調査項目や対象者のさらなる検討が必要となった。しかし,平成24年度に調査の実施と分析,教育プログラムの検討を行う予定であり,おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず,これまでの情報収集と文献検討の結果を基に作成した質問紙を用い,プレテストを実施し,内容を検討した上で,看護師のリンパ浮腫ケアの現状及びリンパ浮腫に対する主観的・客観的評価について調査を実施していく。次に,リンパ浮腫セラピストや患者会運営者との情報交換,患者会への参加を継続し,教育プログラム構築への資料を得ていく。その後,得られたデータより,認識や知識と実施状況の関連を分析し,看護師への教育の介入方法を検討する。最後にこれらの情報を整理し,教育プログラムの構築につなげる。
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