2011 Fiscal Year Annual Research Report
多職種チーム医療に着目した患者満足度尺度の開発と検証
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22792146
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早瀬 良 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (90571927)
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Keywords | チーム医療 / 患者満足度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,患者の満足度に関して,医師や看護師だけでなく,患者を取り巻く多職種からなるチーム医療に対する満足度を測定するために,職種間の連携を含めた患者の満足度を測定する尺度を開発し,その尺度の妥当性・信頼性を検証することである。その際,居怯地域や収入,年齢等によって提供されている医療サービスに違いがある可能性が推測されるため,それらの要因を数レベルに分類し,それぞれのレベルで因子構造の確認を行う。そして,共通した因子構造を抽出することによって,一般化可能性が高く,より多くの患者が回答可能な尺度を開発する。 このような目的,手法によって,患者のニーズを多面的に捉えることが可能となり,患者の満足度をより正確に測定することが可能となる。職種間連携を含めた患者満足度を測定する妥当性・信頼性の高い尺度を開発することは,患者が受診する病院を選択するという意味から病院経営に有益であると考えられる。また,多職種チーム医療による職種間連携が患者満足度を規定することを示すことで,病院組織に対して,職種間に生じている問題の改善に取り組む必要性を示すことが可能となる。本研究により,患者の満足度を高める要因を明らかにすることによって,質の高いサービスの提供につながる知見を提供することが可能と考える。 平成23年度は,平成22年度に作成した78項目からなる多職種チーム医療に着目した患者満足度尺度について,回答に偏りのある項目やダブル・ローディングしていた項目などを削除後,探索的および確認的因子分析を実施し,因子構造を確認した。その結果短縮された44項目からなる尺度項目について,過去1年以内に入院経験のある日本全国の15~69歳の男女を対象にWeb調査を実施し,1000名から有効回答を収集した。現在は,因子構造の再検討と更なる項目の短縮を図っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って,調査対象者の選定,尺度項目の短縮化が進んでいると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
特に変更点はないが,過去2年間のデータを詳細に分析し,妥当性・信頼性の高い項目からなる項目数の少ない尺度を開発するように努める。
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