2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤を含む注射薬剤の皮膚傷害に対するケアの効果に関する基礎的研究
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22792152
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
三浦 奈都子 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (40347191)
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Keywords | 薬剤の血管外漏出 / 点滴漏れ / 看護技術 / 静脈注射 / 抗がん剤 / 有害事象 / 炎症 |
Research Abstract |
静脈注射を実施する際に起こり得る薬剤の血管外漏出による皮膚傷害に対するケアを確立することを本研究の目的とした.薬剤は,壊死性抗がん剤に分類されるドキソルビシン塩酸塩と先行研究により皮下に漏出させた場合,炎症が惹起されるジアゼパム注射液を用いた.ドキソルビシンやジアゼパム漏出に対しては冷罨法が推奨されているが,その効果の機序に関する詳細は明らかになっていない.本研究では,熱によって活性化されるtransient receptor potential cation channel subfamily V member 1 (TRPV1)に着目し,ドキソルビシン漏出性皮膚傷害に対する罨法の効果と機序を検討した.また,温罨法は漏出部位の末梢血管を拡張させ薬剤の吸収を促進させること,冷番法は末梢血管を収縮させ薬剤の限局化を図ることが目的とされている.しかし,罨法が薬剤の吸収へ与える影響について,根拠となるデータは少ないのが現状であるため,ジアゼパム漏出に対する罨法が血中濃度に与える影響を検討した. その結果,TRPV1を発現している神経線維乗数は,1日目,3日目および14日目で冷罨法群より温罨法群で有意に多く,表皮でも1日目,3日目および7日目で冷罨法群より温罨法群で有意に強かった.逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法により,TRPV1のmRNAが検出された.ジアゼパム血中濃度は,対照群では5分後と60分後,冷罨法群では5分後と30分後,60分後,温罨法群では5分後と15分以降すべての値において有意な差がみられた.時間ごとの各群の比較では有意な差はみられなかったが,罨法後の血中濃度は温罨法群が最も高かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
罨法がtransient receptor potential cation channel subfamily V member 1 (TRPV1)(TRPV1)に与える影響および,罨法が薬剤の血中濃度上昇に与える影響の一部を明らかにすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤の血管外漏出性皮膚傷害とtransient receptor potential cation channel subfamily V member 1 (TRPV1)の関連について,quantitative reverse transcription PCR等を用いて定量的に測定する予定である.
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Research Products
(3 results)