2010 Fiscal Year Annual Research Report
助産診断能力を高める分娩シミュレーションプログラム開発
Project/Area Number |
22792236
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
布原 佳奈 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10295628)
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Keywords | 分娩 / シミュレーション / 助産診断 / 診断能力 / SP |
Research Abstract |
本研究の目的は、映像により産婦をイメージ化しながら、典型的な事例(破水後の経産婦の急産など)の経過にそった助産診断を行い、シミュレータを活用して助産技術と連動させて学習する分娩シミュレーションプログラムを開発することである。 22年度は、「分娩シミュレーションの事例設定の必須要件」を検討するために、以下の聞き取り調査を行った。 調査1 助産師学生6名を対象として、(1)受け持ち事例の状況判断やケアで困ったこと、(2)予想外の展開で戸惑った場面、(3)指導者の大幅な援助を得てようやく介助した事例について、(4)学内でシミュレーションしておけばよかったことについて、半構成的面接を行った。調査時期は平成22年10月~2月であった。 結果:遷延分娩時の日常生活援助、破水後、急速に分娩が進む経産婦の事例、誘発分娩のリスクの査定、会陰切開時の会陰保護の方法、分娩時にパニックになった産婦への対応、弛緩出血のリスクの査定と対処方法、胎児ジストレスについて、戸惑うことが多く、学内演習で強化すべき要件であることが明らかにされた。 調査2 本学の助産実習の臨床指導者を対象に、半構成的面接あるいは質問紙調査を行った。調査内容は、(1)学生指導を行う中で困難や危険を感じた事例、(2)大幅な援助が必要となった場面、(3)学内で学習しておいてほしいことについてであり、調査時期は平成22年11月~12月であった。 結果:臍帯巻絡、遷延分娩、誘発分娩、回旋異常の際の援助は大幅に必要であった。モニタリングの判読、家族へのケアも勉強してきてほしい。助産診断・ケアについては、自己判断せずに実施前には臨床指導者とよく相談してほしい。分娩介助は準備から片づけまでを学生同士でもっと連携をとりながら行えるとよい。 以上をふまえて、必須要件を包含する事例について、助産担当教員でディスカッションを行った。
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