2011 Fiscal Year Annual Research Report
在宅重症児の母親に与えるレスパイトケアの効果 短期入所通所サービスに焦点をあてて
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22792244
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
中島 怜子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 助手 (90550278)
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Keywords | 小児在宅看護 / レスパイトケア |
Research Abstract |
在宅で障害のある子どもを養育する主介護者を対象に、レスパイトサービスの利用の現状等についてアンケート調査を実施した。361名に配布し、回収は173名(回収率47%)、そのうち139名を対象に分析した。<結果>対象の属性は、子どもの年齢は平均10.6歳(SD4.27)、医療的ケアは約半数が有していた。主介護者は133名(95.7%)が母親であった。在宅支援サービスの利用者120名(86.3%)のうちレスパイトの目的でサービスの利用があるのは71名(59.2%)であった。レスパイトサービス利用の効果については、レスパイトサービス利用の有無群における介護負担感尺度に有意な差はみられなかったが、サービス利用者の85%以上が時間確保に繋がった、休息できた、リフレッシュできたと答えた。また日中一時支援を利用している、調整者がいる、利用したい時に利用できたなど利用の仕方によって介護負担感尺度得点が有意に低い結果であった。一方、利用時に困ったことの自由記述から、サービス絶対数の不足や希望日時にあった柔軟な対応をしてくれない、子どもの状態によって利用に制限があるなどが明らかとなった。以上の結果から、本研究において以下のことが考察された。レスパイトサービスは、その利用により介護者の時間確保に繋がり、休息できるなど良い影響を与えることが明らかとなった。しかし介護者の介護負担感を軽減するまでには至っておらず、つまりこれらの良い影響はサービス利用時の一時的なものにとどまり、長期的な視点から捉えた時に介護負担感を軽減するまでの十分な機能を果たしていないと推測できる。このことはサービスの絶対数の不足など体制の不十分さにより家族のニーズに合った利用ができていない現状が背景にあると考えられ、十分な支援体制の整備が早急に望まれると同時に、限られた資源の中で効果的にサービスが利用できるよう、看護職は家族のニーズに合わせたサービス利用の調整を図っていく必要があると考える。
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