2011 Fiscal Year Annual Research Report
児童・思春期精神科病棟における看護ガイドラインの開発
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22792279
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
船越 明子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (20516041)
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Keywords | 児童思春期精神科 / 看護 / ガイドラインの開発 / クリニカルクエスチョン / ヒアリング調査 |
Research Abstract |
平成22年度調査により整理された17個のクリニカルクエスチョン(CQ)に沿ってエビデンスを整理し、「児童・思春期精神科病棟における看護ガイドライン」試案を作成することを目的に、文献検討と臨床易へのヒアリング調査を行った。まず、文献検討では、2000年以降の児童・思春期精神科看護について書力れた文献計154件をCQ毎に整理した。そして、文献レビューの結果からエビデンスが不足している点について、医師、臨床心理士、看護師、作業療法士、保育士、生活指導員など7名の児童・思春期精神科ての豊富な経験を有する専門職にヒアリング調査を行った。 文献検討とヒアリング調査の結果から、CQは15個に統合された。CQ毎にエビデンスを整理し、ガイドライン試案を作成した。以下に、ガイドライン試案の一部を示す。 CQ:「暴力・暴言を受けた時に、どのように自分の感情をコントロールしますか?」 文献検討より、暴言・暴力に対して看護師の感情をコントロールすることに役立つと考えられる方法として、「看護師の感情を自由に話し、他のスタッフと共有する」ことで、心理的負担の軽減につながるほか、他のスタッフと話し合うことで「看護師個人の問題ではなく、組織全体で対応するものと認識する」、「患者の置かれている状況を理解する」ことにつながり、看護師の心理的負担を減じることができると考えられた。ヒアリング調査からは、普段から、いつでも気軽に相談できる体制や失敗しても良い雰囲気をスタッフ間で作っておくこと、看護師自身が、自分の感情が揺さぶられる状況に対する自己洞察を深めておくことが、暴力・暴言を受けた時の備えとして役に立つことが明らかとなった。また、子どもが暴力・暴言をおこしてしまう背景を理解すること、他のスタッフのサポートが、暴力・暴言を受けた看護師の感情コントロールを助けることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、当初の年度計画における研究目標を順次達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、来年度は、ガイドライン試案の妥当性および実用性を検討し、『児童・思春期精神科病棟における看護ガイドライン』を完成させる予定である。さらに、完成したガイドラインの活用を推進するため、インターネット上での情報提供など有用な方法を検討する。
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Research Products
(2 results)