2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳内酸化ストレス反応を介した統合失調症の病態機序の解明
Project/Area Number |
22800048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 隆弘 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 特任助教 (70546465)
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Keywords | 統合失調症 / ミクログリア / 酸化ストレス / フリーラジカル / 神経免疫 / モデル動物 / NADPHオキシターゼ / ミノサイクリン |
Research Abstract |
統合失調症の脳内酸化ストレス反応、特に、ミクログリアを介した病態治療機序を解明し新しい治療法を創出するために、ミクログリア・神経細胞等を用いたin vitro実験およびin vivo実験を推進してきた。非定型抗精神病薬の中でもドーパミンD2受容体部分作動作用を有するaripiprazole (ARI)のみが、PMA活性化ミクログリア由来のsuperoxide産生を抑制することを見出した。ARIのsuperoxide産生抑制における細胞内機序には、細胞内カルシウムイオン濃度上昇によるNADPHオキシターゼ活性化の抑制が関与していることを示した。我々の用いている培養ミクログリア細胞はドーパミンD2受容体mRNAを発現しているが、D2受容体作動薬quinpiroleに抑制作用を認めなかったことから、今回のARIによる抑制作用へのD2受容体の関与は否定的であり、さらなる機序解明が望まれる(Schizophrenia Research ; 2011)。 さらに、早稲田大学との共同研究として、ミクログリアが人間の社会生活に及ぼす影響を解明するために、ミクログリア活性化抑制作用のあるミノサイクリンという薬剤を用いての健常者を対象とした社会心理実験を実施した。信頼ゲムという信頼感を指標とする行動実験と信頼感尺度との間に、ミノサイクリン群では正の相関を示したが、プラセボ群ではその相関が認められなかった。本結果から、ミクログリアは、人間の精神活動において、なんらかのノイズを生じさせる可能性が示唆された(Psychopharmacology, in press)。今後、精神疾患患者を対象とした調査研究わよび動物実験による検証が望まれる。
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[Journal Article] Introducing the Concept of Modern Depression in Japan ; an International Case Vignette Survey2011
Author(s)
Kato TA, Shinfuku N, Fujisawa D, Tate no M, Ishida T, Akiyama T, Sartorius N, Tee AR, Choi TY, Wand APF, Balhara YPS, Chang JPC, Chang RYF, Shadloo B, Ahmed HU, Lerthattasilp T, UmeneNakano W, Horikawa H, Matsumoto R, Kuga H, Tanaka M, Kanba S
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Journal Title
Journal of Affective Disorders
Volume: 135(1-3)
Pages: 66-76
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