2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22800053
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高浪 景子 京都府立医科大学, 解剖学生体構造科学, プロジェクト研究員 (70578830)
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Keywords | エストロゲン / 痒み / 掻破行動解析 / 起痒物質 |
Research Abstract |
女性のライフサイクルにおいて、妊娠期間・更年期などの女性ホルモンの変動する時期に女性に特有の痒みを生じることがよく知られている。しかし、感覚神経系において女性ホルモンであるエストロゲンを介した痒み調節機構については不明な点が多い。そこで、まず感覚神経系におけるエストロゲン受容体の発現解析を行い、痒みを伝達する一次感覚神経小型細胞にエストロゲン受容体が発現することを見出した。次に、体内エストロゲン濃度によって痒み感覚が変化するかを行動レベルで検討した。ラットを成熟雄群・雌群・卵巣摘出した去勢雌群・去勢後エストロゲン補充雌群の4群に分け、起痒物質(ヒスタミン・セロトニン・クロロカイン)を投与し、痒みの指標となる掻破行動解析を行った。その結果、雌群・エストロゲン補充雌群は雄群に対して掻破回数・掻破時間が有意に増加したが、去勢雌群と雄群の間で差はみられなかった。従って、雌ラットにおいてエストロゲン濃度により痒みの感受性が変化することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
掻破行動解析の条件検討が終了し、雌ラットにおいて体内エストロゲン濃度により痒みの感受性が変化することを見出すことができたので。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は雌ラットの性周期における痒みの感受性に変化があるかを掻破行動解析により調べる。また、エストロゲンが感覚神経系において調節する痒み関連分子の解析を行う。
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Research Products
(2 results)