2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22800053
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高浪 景子 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (70578830)
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Project Period (FY) |
2010-08-25 – 2013-03-31
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Keywords | エストロゲン / 痒み / 掻破行動解析 / 起痒物質 |
Research Abstract |
エストロゲンは生殖や性行動などの機能調節だけでなく、体性感覚の調節に関与することが知られている。とくに、妊娠期間や更年期などのホルモン環境が変動する時期に痒み感覚に変化がみられるが、女性ホルモンであるエストロゲンが痒み閾値を調節する機序については不明な点が多い。 そこで、痒みの伝達に関与する脊髄後根神経節(DRG)小型細胞にエストロゲン受容体が発現するか免疫組織化学法を用いて解析したところ、雌雄成熟ラットのDRGにおいて、核内エストロゲン受容体ERαと膜結合型受容体GPR30の発現が確認された。次に、エストロゲンが痒み閾値を調節するか明らかにするために、痒みの指標となる掻破行動解析(Kuraishi et al., 1995, Eur J Pharmacol.)を行った。ラットを成熟雄群・雌群・卵巣摘出した長期去勢雌(OVX)群・去勢後に持続的に長期エストロゲンを投与した雌(OVX+E)群の4群に分け、種々の起痒物質を後頸部の皮内に投与し、掻破行動観察を行った。その結果、雌群・OVX+E群は雄群に対して掻破回数・掻破持続時間が増加したが、OVX群と雄群間で差はみられなかった。さらに、このエストロゲン作用の神経機構を明らかにするために、痒み関連分子calcitonin gene-related peptide (CGRP)の発現を免疫組織化学法により解析したところ、DRGにおけるCGRP免疫陽性細胞数と脊髄後角におけるCGRP免疫陽性強度にOVX群とOVX+E群間で差が認められた。 以上から、雌ラットにおいて、エストロゲンが感覚神経系CGRPの発現を制御し、痒み閾値を調節する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)