2010 Fiscal Year Annual Research Report
料理データベースによる食生活調査の外的妥当性と食塩摂取量把握精度向上の検討
Project/Area Number |
22800069
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高地 リベカ 新潟大学, 医歯学系, 研究員 (60413085)
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Keywords | 栄養疫学 / 食事評価 / 妥当性 / 料理データベース / ナトリウム |
Research Abstract |
疫学研究の結果を解釈する上で、曝露(食事評価)の測定精度は重要な論点である。多食材と多様な調理法により構成される"料理"を主に摂取する日本人の食習慣に適した食事評価ツールとして、実測の食事データに基づく料理データベース(DB)の構築と有用性の検討が、今後の栄養疫学研究において急務である。また、塩分摂取は食物摂取頻度法や写真法でも測定困難な項目のひとつで、料理毎に一定の塩分濃度をもつDBによる推定ではなおさらである。味の好みと実際の味付け濃度や生体指標との関係を明らかにし、評価システムへ反映させることにより把握精度の向上が期待できる。 1.既存の秤量法食事記録を基に、料理別の使用食材と摂取量及び分類をDB化した。まずは岩手県一関市における食事記録(287人、延べ347日)を整理し、延べ7496料理が1205種類として整理・統合された。広域な疫学調査には、DBの基盤となる食事調査地域の拡充が必要である。 2.岩手県一関市において開発した料理DBの一部により、料理を単位とする食事評価法の外的妥当性(DB開発地域外への適応)について検討した。首都圏在住者より収集した秤量法食事記録(4日間)による摂取量と、料理DBによる摂取量推定値とを比較から、多くの栄養素・食品群で比較的高い相関係数が得られた。DB開発地域外にも応用できる可能性が示唆された。一方で、栄養素等摂取量の多くで過小評価されており、性・年代別摂取量のDB構築を要することが分かった。 3.味付けに関する回答が、総塩分摂取量を反映する指標になり得るか検討した。首都圏在住者144名を対象とし、収集したみそ汁味付け回答別に、自宅で調製した(実際に摂取している)汁物濃度及び秤量法食事記録(4日間)による塩分摂取量を比較した。みそ汁味付けの回答は汁物の塩分濃度を反映しており、濃い味の回答者は総Na摂取も多い傾向が見られた。
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