2011 Fiscal Year Annual Research Report
料理データベースによる食生活調査の外的妥当性と食塩摂取量把握精度向上の検討
Project/Area Number |
22800069
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高地 リベカ 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60413085)
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Keywords | 栄養疫学 / 食事評価 / 妥当性 / 料理データベース / ナトリウム |
Research Abstract |
1.「料理」を主に摂取する日本人の食習慣に適した食事評価ツールとして、実測の食事データに基づく料理データ適用の外的妥当性の検討を基に、多集団によるデータベース統合を進めた。国内4つの集団から既存食事記録データを集め(岩手,JPHC地域,東京,名古屋)、料理名・食材・重量によって構成される料理DBとして再構成した。食事記録データより延約24万品の料理を、標準化した料理名により約7,000種類に整理した。評価システム上の料理選択を容易かつ適切にするため、64の料理カテゴリに整理・統合した。これらのカテゴリより単食材([ご飯・もち]、[果物]等)か複合食材の料理に分類でき、複合食材の料理で最頻出のカテゴリは[サラダ]で(種類数も最多)、他に[野菜の煮物]、[卵料理]、[炒め物]等であった。複合食材の料理の出現頻度は、各集団料理DB全体の40%程度であったが、種類数では62%~75%となった。 2.性・年代による料理のポーションサイズ検討:東京、岩手の男女において、1食あたりの平均摂取量を料理カテゴリ毎に比較した。[ごはん・もち]類は男性の方が多く(1.4倍)、[果物]、[野菜の煮物]類では男女の平均値は同等であった。肉や魚を中心とした[炒め物]の1食量は男性、若年ほど多かったが、豆腐・野菜の[炒め物]の男女差は殆どなく、高齢ほど多くなった。[サラダ]料理は女性、高齢ほど多くなった。 3.東京近郊在住の131名を対象とし、味付け(みそ汁)の自己申告が、総塩分摂取量を反映する指標になり得るか生体試料(尿中ナトリウム排泄量)により検討した。味付けの強さが1段階強くなる毎に、尿中ナトリウム排泄量は392mg/d増加し、有意な正の関連が見られた。自己申告の「味付けの好み」は総塩分摂取量推定の補助指標となり得、料理データを用いた食事評価システムへの反映により塩分把握精度の向上が期待できた。
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