2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンザニア南東部コミュニティにおける女性世帯主世帯の脆弱性と自在性
Project/Area Number |
22810004
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
阪本 公美子 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (60333134)
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Keywords | アフリカ / ジェンダー / 家族・親族・人口 / 自在性 |
Research Abstract |
女性世帯主世帯は、脆弱な属性として議論されてきたが、その脆弱性はタンザニアのみならずアフリカ全般においても疑問視されつつある。本研究では、タンザニア南東部の2村の中心部に暮らす女性世帯主世帯における女性、並びにシングル・マザーの食料へのアクセスに焦点を当て、彼女たちの生計戦略を分析した。食料不足に関しては、女性世帯主世帯における高齢女性の脆弱性が顕著である一方、男性世帯主世帯におけるシングル・マザーに脆弱性は見られなかった。しかし高齢女性は、食料不足の際、他人から食料を贈与してもらうことが多く、伝統的な知識に基づき森から食料を得ることもあった。他方、若い女性は、食料を補うため日雇い労働(キバルア)や小商いを行うことが頻繁に見られた。家畜や土地所有に関しても、女性世帯主の女性、シングル・マザーの間でも差があり、彼女たちの多様性がみられた。結論として、女性世帯主世帯やシングル・マザーの中で脆弱性はみられるが、コミュニティの規範の中におけるそれぞれの立場を利用した生計戦略が明らかになった。但し、コミュニティからの支援やそれぞれの自助努力が脆弱性を乗り越えるために充分と言えるのかどうか、彼女たち視点、並びにより広範な視点から、さらなる調査・研究が必要である。
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Research Products
(3 results)