2011 Fiscal Year Annual Research Report
世界遺産都市四川都江堰における震災復興をめぐる国際協力の在り方に関する考察
Project/Area Number |
22810028
|
Research Institution | 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構 |
Principal Investigator |
穐原 雅人 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究調査本部, 主任研究員 (90587429)
|
Keywords | 対口支援 / 四川大地震 / 都江堰 / 国際協力 / カウンターパート方式 / 大震災復興 / 歴史都市保存 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
21世紀の災害リスクが継続的に高いアジア地域において、国際入道的観点での災害援助能力は不可欠なものである。我が国主導で策定された国際合意「兵庫行動枠組2005~2015」は、防災・減災に関する包括的な行動指針として、各国の防災政策を推進するうえで、取り組みの中心となっている。その進捗状況について、各国は早期警報や事前準備、応急対応などの災害への備えに関して進捗がある一方で現代社会が依存している技術システムの複雑さや相互依存による新たなリスクや地域脆弱性が表面化していることを国際防災戦略(ISDR)「国連世界防災白書2011」に指摘された。 本研究は、主に中国四川大地震発災直後の緊急救助から「重建」(改良復旧)に至るまでの対策を対象として、被災支援力・受援力の仕組みの日中比較を通じて、災害対策をめぐる国際協力の政策提言を目的とした。具体的に、(1)20世紀以降の四つの大震災(関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災と四川大地震)において、大災害の緊急支援をめぐる軍事アクター(米軍、自衛隊、中国軍隊)の役割について、文献調査・情報収集を行った。(2)阪神・淡路大震災直後、神戸市震災復興の事例を踏まえて、持続可能な地域づくり・むらおこしの視点から見た「迅速復興」、「移転復興」の光と陰を検証すると共に、世界遺産都市である四川都江堰市における震災以前からの歴史市街地の再開発問題、北川羌族自治県における県政府所在地の移転建設後の地場産業再建・現地雇用問題を取り上げ、現地調査を行った。(3)21世紀高齢社会における安全・安心の福祉社会のあり方をめぐって、四川被災地での調査結果や疑問、課題について、四川大地震、青海玉樹地震の復興担当である上海同済大学、北京清華大学、北京都市計画設計院の第一線専門家との意見交換、及び四川成都・西南民族大学にて東日本大震災の教訓についての講演会を行い、研究成果を積極的に社会に還元するようにした。
|
Research Products
(5 results)