2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本を起点としたパキスタン人移民の間接移民システムに関する社会学的研究
Project/Area Number |
22830020
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福田 友子 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (40584850)
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Keywords | 社会学 / 移民研究 / パキスタン |
Research Abstract |
平成22年度は、日本に拠点を持つパキスタン人企業家のデータベース作成を進め、平成23年度実査予定の電話調査の準備を進めた。同時並行で移民研究に関する文献研究を行った。各種研究会や共同調査にも積極的に参加し、自分の研究枠組みを再検討した。平成23年2月には、パキスタン人移民の最終目的国の1つであるイギリスにおいて海外現地調査を行った。 【ホスト社会(日本)調査】学外では千葉県、富山県、福岡県の移民集住地域でフィールド調査を行い、各地の国際交流施策などの資料も併せて収集した。移民企業家のほか、宗教団体関係者、同郷組織関係者ヘヒアリングした。学内では移民企業家のデータベースを作成した。さらに平成23年度5月頃に実査予定の電話調査の準備を進めた。この調査が完了すれば、当該コミュニティの実像を質的にも量的にも把握できるようになり、2009年以降の経済情勢悪化を反映した独自性の高いデータが得られるだろう。 【最終目的国(イギリス)調査】イギリスは、中古車貿易の主要拠点ではないが、歴史的にパキスタン人が多く移民しており、すでに成熟した移民コミュニティが形成されている。そこで移民コミュニティの形成要因について当該国の事情に詳しい専門家や移民当事者に対してヒアリング調査を行った。また各地の統計資料をはじめ行政資料や文献を併せて収集した。使用言語は英語で、調査時期は2月中旬に約10日間、調査場所はロンドン近郊とマンチェスター近郊であった。なお当初の研究実施計画では1年目に南・北米での調査を予定していたが、現地調査協力者の都合もあり、調査地を2年目に予定していたイギリスと交替した。結果的に植民地出身者から見た旧宗主国の位置づけを先に理解できたことは、今後の比較研究に大いに役立つと考えている。特に、イギリスが移民の最終目的国となりうる要因の一部を探ることができ、本研究テーマの目的において重要な知見を得られた。
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