2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本を起点としたパキスタン人移民の間接移民システムに関する社会学的研究
Project/Area Number |
22830020
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福田 友子 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (40584850)
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Keywords | 社会学 / 移民研究 / パキスタン / アメリカ / カナダ / アラブ首長国連邦 / ロシア |
Research Abstract |
平成23年度は、日本での調査をさらに進めつつ、複数の海外拠点を訪問してフィールド調査を行った。また学会報告や研究会参加などの機会を利用して議論を深めた。共同調査にも積極的に参加し、自分の研究枠組みを再検討した。同時並行で移民研究に関する文献研究を行った。 【ホスト社会(日本)調査】学内では、前年度に作成したデータベースをもとに、5月にパキスタン人移民企業家への電話調査を実施した。この調査の結果、当該コミュニティの実像を質的にも量的にも把握できた上、リーマンショックの影響について独自性の高いデータが得られた。学外では、6月に富山県、新潟県、北海道のパキスタン人企業家の集積地域でフィールド調査を行い、各地の貿易関連資料も併せて収集した。さらに千葉県、埼玉県、群馬県では、移民企業家のほか、宗教団体関係者、同郷組織関係者にもヒアリングし、コミュニティ形成史について検討を加えた。 【最終目的国(アメリカ・カナダ)調査】7~8月に、ニューヨーク近郊とトロント近郊で現地調査を実施した。アメリカやカナダは、中古車貿易の主要拠点ではないが、パキスタン人が多く移民しており、すでに成熟した移民コミュニティが形成されているため、移民コミュニティの形成要因についてヒアリング調査を行った。 【貿易相手国(ロシア)調査】8~9月に、ロシアのウラジオストクで現地調査した。ウラジオストクは、中古車貿易業にとって必要不可欠な貿易拠点であるが、パキスタン人企業家が移住したくてもできなかった地域である。パキスタン人企業家が参入できなかった理由を解明することによって、他の移住拠点との比較検討が可能になった。 【第三国(アラブ首長国連邦)調査】10~11月に、アラブ首長国連邦のドバイとシャルジャで現地調査を実施した。これまで定点観測を続けてきた調査地であるため、リーマンショック以降の変化について把握することができた。
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