2010 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の筋細胞を用いた耐環境自律駆動型マイクロロボット制御法の開発
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22860020
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 東京農工大学, 大学院・工学府, 特任助教 (80585878)
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Keywords | マイクロロボット / バイオアクチュエータ |
Research Abstract |
本申請研究では、耐環境自律駆動型マイクロロボットの創成に向けて、外部刺激に対する背脈管組織の応答を定量的に評価し、その結果を元に背脈管組織の収縮制御を行う。本年度は,自律的に移動するマイクロロボットの作製,背脈管の昆虫ホルモンの添加および電気刺激への応答の評価を行った.まず,背脈管組織の収縮力によって,十分な変形が得られ移動可能なマイクロロボットの土台となるマイクロ構造体を有限要素法によるシミュレーションにより設計し,ソフトリソグラフィーによりシリコーンゴム(PDMS)製のマイクロ構造体を作製した.このマイクロ構造体へ背脈管組織をアセンブリし,背脈管組織の自律的拍動によりマイクロロボットが毎秒26.4マイクロメートルで移動することを確認した.次に,マイクロピラーアレイを作製し,そこへ背脈管組織をアセンブリし,そのマイクロピラーの変形を観察することで,甲殻類心活性ペプチド(CCAP)およびプロクトリン,また電気刺激に対する応答を評価した.その結果,CCAPを添加することで,一時的に背脈管の拍動の変位および周波数が大きくなったが,プロクトリンの添加による背脈管拍動の変化は確認できなかった.また,電気刺激により背脈管の収縮を直接的に引き起こすことが出来ることを確認した.従って,CCAPの添加および電気刺激を併用することで背脈管組織の拍動の制御が可能になると考えられる.これらの結果を踏まえ,来年度は画像解析により背脈管の収縮をモニタリングし,その結果に応じてホルモンの添加および電気刺激を加えるシステムを構築することで,背脈管組織の収縮の制御するシステムの構築を試みたい.
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Research Products
(5 results)