2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22870030
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
宍戸 英樹 創価大学, 工学部, 助教 (30580120)
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Keywords | 分子モーター / バイオテクノロジー / 光スイッチ / 生体分子 |
Research Abstract |
本研究では、生体機能蛋白質であるカルモジュリン(CaM)を巧妙な仕組みをもつ天然の分子機械として捉え、その分子機構に人工的な仕組みとして光応答性ナノデバイスであるフォトクロミック分子を導入し、光刺激によってCaM標的蛋白質である分子モーター・ミオシンVの機能を制御することを試みる。 1.運動活性をもつミオシンVのHMM型と制御機構をもつ尾部を、それぞれ分子生物学的手法を用いて発現・培養させ、精製を行った。調製したミオシンVは十分な活性を保っていた。 2.調製したミオシンVには内在性の野生型CaMが6個結合している。この野生型caMをフォトクロミック分子が導入されている光応答性CaMに置換する。今回は13種類の光応答性CaMを調製し、用いた。置換の確認はアクチンとの共沈実験によって行い、光応答性CaMの導入に成功することができた。置換効率はCa^<2+>条件のときに6個中4個のCaMが、EGTA条件の時には6個中1~2個のCaMが置換されたことが示された。 3.光応答性CaMで置換したミオシンVに紫外線-可視光線照射をすることによって、ミオシンVのATPase活性の光制御を試みた。その結果多くのCaM変異体で、ミオシンVのATPase活性を可逆的に光制御させることに成功した。また著しくATPase活性を減少させる変異体もあったので、今後はこれらの結果から得られた知見を元に、更なる改良を加え、より大きな光制御を試みる。また運動活性の光制御や速度論的解析も行う予定である。
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