2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22870030
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
宍戸 英樹 創価大学, 工学部, 助教 (30580120)
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Keywords | 分子モーター / バイオテクノロジー / 光スイッチ / 生体分子 |
Research Abstract |
本研究では、生体機能蛋白質であるカルモジュリン(CaM)を巧妙な仕組みをもつ天然の分子機械として捉え、その分子機構に人工的な仕組みとして光応答性ナノデバイスであるフォトクロミック分子を導入し、光刺激によってCaM標的蛋白質である分子モーター・ミオシンVの機能を制御することを試みた。 1.昨年度の成果において、光応答性CaMで置換したミオシンVに紫外線-可視光線照射をすることによって、ミオシンVのATPase活性の光制御を可逆的に光制御させることに成功した。今年度はより大きな光制御を目標としてケージド化合物で修飾したCaged CaMを調製し光制御実験を行った。その結果、光照射前はミオシンVの活性が低いが光を照射すると活性が増加するという光制御をすることができた。 2.次にさらに大きい可逆的な光制御を目指して、CaMを二価架橋性アゾベゼン誘導体であるABDMで架橋しCaMダイマーを調製した。これによってフォトロミック分子のみの光異性化をより大きな変化へと変換することができ、これまでよりも大きな光制御が起きるのではないかと考えた。しかしこのCaMダイマーを用いてミオシンVの活性の光制御を試みたが大きな光制御は起きなかった。副産物的な結果ではあるが、このCaMダイマーを用いてモノマーの運動活性のないキネシンにCaMターゲットペプチドを連結させたところ、このキネシンの運動活性がカルシウム濃度依存的に制御された。これに光制御機能を導入すれば、光制御機能をもつ分子シャトルを作成することが可能であると示唆される。
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