2010 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達分子を標的としたイヌアトピー性皮膚炎の新規治療法開発に向けた研究
Project/Area Number |
22880013
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 早苗 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (20588917)
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Keywords | イヌアトピー性皮膚炎 / ケラチノサイト / CCL17/TARC / ERK |
Research Abstract |
イヌのアトピー性皮膚炎の免疫病態には、ケモカインであるCCL17/TARCが重要な役割を果たしていると考えられている。イヌケラチノサイトにおいて、CCL17 mRNA転写は主にTNF-αによって誘導されることが明らかになっている。しかしながら,その制御メカニズムは明らかにされていなかった。そこで、イヌADに対するケモカインを標的とした治療法の開発に向けて、ケラチノサイトにおけるTNF-α誘導性CCL17 mRNA転写の制御メカニズムを明らかにすることを目的に研究をおこなってきた。その結果、イヌケラチノサイト細胞株であるCPEKにおけるTNF-α誘導性CCL17 mRNA転写は、p38によって正に、ERKによって負に調節されていることが示唆された。このことから、研究代表者はERKがイヌAD治療の標的分子として有用となりうると考えた。そこで、本研究では、ADにおいて特異的に発現増加あるいは低下しているERK関連分子をAD新規治療法の候補分子とするために、ADと診断されたイヌの皮膚病変部・非病変部および健常皮膚におけるp38、EPKの活性化およびERKの活性化に関与する分子群の発現を比較検討することとした。当該年度においては、EGFファミリーおよびEGFR mRNA転写量について、リアルタイムRT-PCRを用いて検証するために、EGFファミリー(EGF,TGF-α,AmphiregulinおよびHB-EGF)およびEGFRに対する特異的プライマーを設計した。これら特異的プライマーを用いて、各分子のmRNAを定量することに成功した。また、EGFRに対する特異的抗体を用いたウエスタンブロッティングにも成功した。これらにより、今後はアトピー性皮膚炎病変皮膚を用いた解析が可能となった。
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