2011 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患者の「折り合い」に関する研究-ストーマ保有者に焦点をあてて-
Project/Area Number |
22890202
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小笠原 法子 東邦大学, 看護学部, 助教 (30589049)
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Keywords | 慢性疾患 / 折り合い / ストーマ保有者 |
Research Abstract |
本研究は、ストーマ保有者とその家族やストーマ保有者に関わる看護師の「折り合い」を明らかにすることを目的とする。これは、ストーマ保有者自身の「折り合い」という点は着目されているが、ストーマ保有者の「折り合い」には周囲の反応、とりわけストーマ保有者の家族が影響していると考えられる。そこで本研究は、関東圏内の総合病院のストーマ外来に通院中のストーマ保有者およびその家族、関東圏内のオストミー協会に所属するストーマ保有者とその家族を対象に半構成的面接法により30分程度のインタビューを行うこととした。 平成23年度はオストミー協会の会員のストーマ保有者3名とその家族1組に30~60分のインタビューを実施したまた、関東圏内の総合病院ではストーマ保有者とその家族3組に30~40分のインタビューを実施した。インタビューの概要は以下の通りである。 <インタビュー概要> 1.オストミー協会:ストーマ保有者(男性2名、女性1名)、ストーマ保有者の家族(女性1名) 2.関東圏内の総合病院:ストーマ保有者(男性3名)、ストーマ保有者の家族(女性3名) 3.インタビュー内容 手術しなければ「死」という状況の中、「生きること」つまりストーマを造設することになったストーマ保有者とその家族は「しょうがない」という言葉を繰り返し言った。ストーマを保有しても活躍している人を知り、嫌悪感は軽減していた。しかし、戸惑いは抱えており、ストーマ保有者自身で新たな排泄手段を身に着け、「当たり前」のことにしていった。家族は、「見て見ぬふり」をしながら相手を気遣ったり、「自分のことのよう」に思いともにケアをすることを通して家族の絆が強くなったと語った。
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