2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドメインシャッフリングによるフルクタナーゼキメラ酵素の作製とバイオフィルムの分解
Project/Area Number |
22890210
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
角田 衣理加 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (30585469)
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Keywords | 歯学 / 酵素 / 細菌 / 遺伝子 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
う蝕発生は、Streptococcus mutans,Streptococcus sobrinusが産生するグルカンが要因となり、歯面に形成される病原バイオフィルムと深く関連する。歯面に付着した歯垢(バイオフィルム)は、ブラッシングにより部分的には除去できるが、歯肉辺縁や歯の隣接面では除去しきれずに残りやすい。デキストラナーゼ(デキストラン分解酵素)は、歯垢の成長を抑制することが知られており、う蝕予防に有用とされている。フルクタナーゼ(フルクタン分解酵素)については、う蝕予防に言及した報告はない。しかし、フルクタンも初期歯垢形成に関与している。本研究は、細菌付着要因であるデキストランとフルクタンを同時に分解できる酵素の創出と、それを用いたより効果的なう蝕予防方法の確立を目的とする。 S.mutans(UA159)のデキストラナーゼ遺伝子のクローニングを行い、デキストラナーゼ遺伝子A,BをそれぞれIPTGを用いて、発現誘導させた。デキストランを基質として、Somogyi-Nelson法にて、発現させたデキストラナーゼ遺伝子Aの酵素活性を調べた。その結果、デキストラナーゼ遺伝子AをpUC118に組み込んだものが培養上清、細胞質液、細胞残渣で強い活性が認められた。S.mutansのフルクタナーゼ遺伝子は、デキストラナーゼ遺伝子と同様にA,Bがあり、すでに、フルクタナーゼ遺伝子Bのクローニングを行い、Somogyi-Nelson法にて酵素活性を検証した。 キメラ酵素の作製までは到達していないが、フルクタナーゼについては、より効果的なフルクタン分解活性を得るため、改良を続けている。
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Research Products
(5 results)