2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内崩壊錠に関する意識調査と治療効果への影響の検証
Project/Area Number |
22928001
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
稲川 和香 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Keywords | 口腔内崩壊錠 / 後発医薬品 |
Research Abstract |
【研究目的】口腔内崩壊錠に関する患者意識、治療効果および副作用発現の調査を行い、患者の期待する剤形および近隣の保険調剤薬局における口腔内崩壊錠の選択要因に関する情報を入手することで、口腔内崩壊錠の開発における患者満足度の向上を図るための情報を得ることを目的とした。 【研究方法】(1)官能試験および溶出試験による製品選択の有用性に関する調査を行った。(2)インタビューフォームに記載されている成分の溶出挙動の比較方法に関する調査を行った。本調査では、先発医薬品と後発医薬品の製品が上市されているアムロジピンベシル酸塩の口腔内崩壊錠をモデル薬剤として用いた。 【研究成果】(1)官能試験による味(清涼感、甘さ、苦味)と服用感(ザラツキ、粉っぽさ)については、服用する際に問題となる製剤的要因とはならなかった。嗜好性とともに総合的に評価すると、調査対象とした現行製品の味と服用感については、いずれも良好であると考えられた。 (2)アムロジピンベシル酸塩の口腔内崩壊錠については、2010年7月時点で26製品(後発医薬品24製品)が上市されていた。インタビューフォームに溶出試験の情報として、溶出率-時間曲線の記載されている製品は、22製品であった。インタビューフォームを用いることで、ほぼ全ての製品の溶出挙動を評価できることが明らかになった。一方、後発医薬品の各製品において、比較対照となる標準製剤が統一されていない問題点も明らかになった。その原因として、先発医薬品における製剤変更が挙げられた。今後、溶出挙動の違いと薬効との関連性について、評価する必要がある。
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