2022 Fiscal Year Annual Research Report
Design of Mobility Intelligence for Small Mobility in Shared Space
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22H00211
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 達也 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50235967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 和久 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90219832)
奥田 裕之 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90456690)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歩車共存空間 / 移動知能 / モデル予測制御 / 人間行動モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学術的問いとして定めた合意形成型の移動知能のためのアーキテクチャを、認知科学的知見を制御工学的方法論へと還元する視座から新たに創出し、それを支える卓越した要素技術群を開発することをめざしている。2022年度は以下の項目に取り組んだ。 (a)歩行者の(判断)モデルの構築とオンライン学習(鈴木): 判断モデル、すなわち離散状態に確率測度を埋め込むことによって、判断のあいまいさを定量的に表現するモデルへと拡張する。さらには、ハイブリッド動的システムモデルのオンライン同定手法を新たに考案する。 (b)判断エントロピー最小化による移動知能アーキテクチャの創出(鈴木・三輪):「他者が持つ判断のあいまいさ(エントロピー)」を最小化するよう自己の行動を決定することこそが配慮(利他的行動)であり、他者との迅速な合意形成につながる、との認知科学的着想のもと、評価関数に判断のエントロピーを組み込んだモデル予測制御を構築する。 (c)歩行者の高精度な属性検出と気づきの推定(出口):画像認識に基づく詳細な歩行者属性検出とそれを活用した周辺歩行者の気づきの推定を行う。 (d)認知科学的仮説構築とメンタルモデルによる検証(三輪):利他的行動と利己的行動の融合という認知科学的にも挑戦的な視座から合意形成に対する判断エントロピー最小化を拡張した新たな仮説構築を試みる。仮説構築のため、マルチプレーヤー型の歩車共存空間シミュレータを開発して、歩行者と移動体が共存する典型的な交通環境を仮想的に再現し、行動データを取得する。さらには、認知科学における人間のメンタルモデル(対象についての脳内モデル)測定の概念を具現化して、判断エントロピー最小化に基づく合意形成型移動知能の「歩行者にとっての受容性」を定量的に評価する。 上記の各項目に対し、おおむね所定の成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初立てた5項目のうち、6割程度は達成したと考えている。特に「(a)判断モデルの構築」においては、判断モデル、すなわち離散状態に確率測度を埋め込むことによって、判断のあいまいさを定量的に表現するモデルへと拡張し、さらには、ハイブリッド動的システムモデルのオンライン同定手法を新たに考案することを目的としたが、加えてベイジアンネットワークを用いることで視線情報(認知情報)を付加したモデルへと拡張する足掛かりを得た。この成果は国際会議でも高く評価され、Best paper Award Finalist に選出された。また、研究分担者の三輪との間の協議も順調に進み、当初提案した判断エントロピーに加え、妨害度指標と呼ばれる新たな認知量を見出し、歩車間のインタラクションにおいて重要な役割を果たすことを確認した。これらのせいかを実時間のモデル予測制御に適用するためのアーキテクチャ検討も順調に進んでおり、最適化アルゴリズムに関してもいくつかの候補に絞り込みを終えた。 これらを総合的に勘案して「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初掲げた5項目のうち、 (d)認知科学的仮説構築とメンタルモデルによる検証: 利他的行動と利己的行動の融合という認知科学的にも挑戦的な視座から合意形成に対する判断エントロピー最小化を拡張した新たな仮説構築を試みる。仮説構築のため、マルチプレーヤー型の歩車共存空間シミュレータを開発して、歩行者と移動体が共存する典型的な交通環境を仮想的に再現し、行動データを取得する。さらには、認知科学における人間のメンタルモデル(対象についての脳内モデル)測定の概念を具現化して、判断エントロピー最小化に基づく合意形成型移動知能の「歩行者にとっての受容性」を定量的に評価する。 (e)各成果の統合実装と検証: 本研究で提案する移動知能アーキテクチャを実装し、実環境でその有用性を検証するまずはクローズドな環境で、将来的には公道での実証を試みる。また、将来的には企業と連携して社会実装を目指し、この分野における研究開発をアカデミアの立場から先導する。 の2項目に重点的に取り組む。特に各成果の統合実装に関しては、サンプルベースアプローチを重点的に考察し、計算量と制御のトレードオフについて定量的な議論を深堀りする。
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Research Products
(6 results)