2023 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of mammalian cell-based cell and bioprocess engineering
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22H00276
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大政 健史 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00252586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 範子 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20582795)
鬼塚 正義 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (80571174)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 工業用動物細胞 / バイオ医薬品 / 抗体 / 細胞内トラフィック / 細胞培養プロセス / VLP |
Outline of Annual Research Achievements |
チャイニーズハムスター卵巣 (CHO)細胞は、構築されてから50年以上、生体外にて増殖しており、科学的研究のみならず、産業においても多用されている工業用動物細胞である。特に、バイオ医薬品生産においては実際に上市されている抗体医薬の6割以上のみならず、近年ではバイオ医薬品全体の5割近くの生産宿主として、生産基盤を支えている。現在、CHO細胞は10g/Lを超える生産も可能であり、培養コストもg数ドルが達成可能であるがCHO細胞自身の科学的解明については、十分ではない。本研究では、CHO細胞を用いた新モダリティ生産等を対象とし、①細胞内トラフィックの解明とボトルネックプロセスの同定(2022-2024年度)、さらには、CHO細胞の新しい展開をはかる②上記に基づくセルエンジニアリング手法の構築(2023-2025年度)、そして、これらを組み合わせた③工業用動物細胞を用いた高度生産プロセスの基盤(2024-2026年度)を構築することを目的とした。2023年度は、昨年度の引続き研究計画に沿って、IgNARならびにさらに分子量の大きいウイルス様粒子(VLP)の発現系を構築している。さらには、細胞内トラフィックに関連する因子の高発現の生産性に及ぼす影響の解析をおこない、生産性の向上を確認した。その結果、VLPについては、ノロウイルスのVLPを用いたCovid-19 ワクチンを目指したVLP発現系の構築を行った。IgNARについては、細胞内の小胞体ストレス応答因子について確認を行った。これらの成果については、国内外の学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①細胞内トラフィックの解明とボトルネックプロセスの同定(2022-2024年度)の計画通り、ボトルネックプロセスの同定については、いくつかの因子を見出し、上記に基づくセルエンジニアリング手法の構築(2023-2025年度)についても成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで順調に計画通り進んでおり、2024年度も、計画通り、①細胞内トラフィックの解明とボトルネックプロセスの同定(2022-2024年度)、さらには、CHO細胞の新しい展開をはかる②上記に基づくセルエンジニアリング手法の構築(2023-2025年度)の方策を行う。一部前倒しで進んでいるセルエンジニアリングの手法を新モダリティ等にも応用する。また、③工業用動物細胞を用いた高度生産プロセスの基盤(2024-2026年度)を構築についても取り纏めを開始する。今年も国際学会での発信を重点的に活動を行いたい。特に研究を遂行する上での問題点はない。
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Research Products
(15 results)