2022 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の認知特性を踏まえた個別最適な技能習得を目指す指導過程の検討
Project/Area Number |
22H04061
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小祝 達朗 茨城大学, 教育学部, 技術主任
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 技術教育 / 技能 / 認知特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中学校技術科において教科設置当初から取り扱われている材料を加工する学習,特に金属の棒材を弓のこで切断加工する学習における技能習得を,学習者の認知特性から検討することである。研究代表者はこれまで,技術科における技能の指導の在り方を資質・能力育成に基づいて検討してきた。そして,指導過程のモデルを提案するとともに,初学者の中学生にモデルを適用し技能習得の特徴を明らかにした。さらに,学習者の技術的なメタ認知の能力を高めるような指導により,モデルの効果を検討した。本研究では,これまでの成果に加え,学習者の認知特性の視点から技術的なメタ認知の向上を検討した。本研究における学習者の認知特性の分類については,本田40式認知特性テスト(2015)を用い,初学者の中学生45名を視覚優位者,言語優位者及び聴覚優位者に分類した。その結果,視覚優位者約5割,言語優位者約3割,聴覚優位者約2割であった。そして,材料の切断について意識的に自分の理解を確認するような意識について,コラボレーションによる活動群については,最初から高い状態を維持していた。個人による活動群における聴覚優位者については,最初の意識は低く,モデルの適用後にやや向上し,練習後には他の学習者と同様の結果であった。このことから,個人で学習する聴覚優位者については,モデルの適用時に認知特性に応じた指導の必要性が考えられる。
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