2022 Fiscal Year Annual Research Report
社会科黎明期のカリキュラムの理論に関する歴史的研究
| Project/Area Number |
22H04070
|
| Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大野木 俊文 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 助教
|
| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 社会科教育史 / 社会科教育論 / 社会科教育観 |
| Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:本研究の目的は,社会科黎明期のカリキュラム論の思想と原理を明らかにすることである。 研究方法:社会科黎明期では,どのようなカリキュラム論が展開されたのか。また,カリキュラム論には,どのような思想的特質と限界があったのか。ここでいう「思想的特質」とは,カリキュラムの理論に内在する思想の特質を指す。本研究は,文部省の初等・中等社会科委員会のメンバー(以下,創設メンバー)の社会科教育観の諸相と形成要因を実証的・総合的に追究することで,上記の課題を究明する。 本研究の時期区分となる「黎明期」は,新教科である社会科が始まろうとしていた期間を指す。具体的には,終戦直後の1945年から1958年の社会科学習指導要領(以下,昭和33年版)が登場するまでの間を指す。先行研究は学習指導要領の変遷に合わせて,カリキュラムの「構成」や「構造」を解明しようとするところに問題意識があった。それに対して,本研究の問題意識は,カリキュラム論を流動的なものとみなし,その「思想」と「原理」を解明するところにある。本研究は,次の2点を中心に考察する。①創設メンバーは,カリキュラム論の思想の曖昧さという歴史的課題をどのように克服しようとしたのか。②創設メンバーは,カリキュラム論の原理の難しさという教育的課題をどのように乗り越えようとしていったのか。 研究成果:本研究の成果は,創設メンバーの社会科教育観に基づき,彼らが提唱した社会科教育論の展開から学問的アプローチの特色を考察することで,社会科黎明期のカリキュラム論の思想的特質と限界を解明したことである。具体的には,「人間形成」と「道徳教育」に焦点化して重松鷹泰と上田薫の社会科教育論を比較し,逆コース期の社会科を中心とした道徳教育の理論と思想的特質を明らかにした。
|