2022 Fiscal Year Annual Research Report
血清乳びの定量化によるインスリン抵抗性糖尿病の新規検出法の確立
Project/Area Number |
22H04387
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大澤 まみ 新潟大学, 医歯学系, 助教
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳び / 脂質 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 わが国の糖尿病患者は 2,000 万人(厚生労働省 2016)と多く、合併症のリスクの点においても糖尿病の早期発見は重要である。ところで、最近、強度の乳び血を呈する患者の多くが糖尿病を患っていることが報告された(Mainali et al. Pract Lab Med. 2017)。そこで本研究では、血漿の乳び値を用いた新しい糖代謝異常のスクリーニング法の開発をめざした。 【研究成果】 検討の結果、乳びの有無で空腹時血糖値およびHbA1c値に有意差は認めなかった(p≧0.05)。また乳びの強度の違いにおいても有意差を認めなかった(p≧0.05)。空腹時血糖の糖尿病型(126 mg/dL 以上)の割合は、非乳び群で40.0%、弱乳び群で45.7%、強乳び群で39.5%であり、弱乳び群・強乳び群ともに空腹時血糖の糖尿病型の割合は多かったが、非乳び群との有意差は認めなかった(p≧0.05)。HbA1cの糖尿型(6.5%以上)の割合は非乳び群で37.5%、弱乳び群で41.3% 、強乳び群では46.1%であった。弱乳び群・強乳び群ともにHbA1cの糖尿病型の割合は多く、乳びの強度に応じて増加傾向にあったが、有意差は認めなかった(p≧0.05)。 【結論】 乳び群の患者は血糖値・HbA1c値ともに糖尿病型の割合が多く、既報と同様の結果であったが、非乳び群の患者においても糖尿病型の割合が高かったことから有意差は得られなかった。以上より、乳びを糖代謝異常のスクリーニングとして応用するにはさらなる検討が必要である(研究成果は、第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会にて発表した)。
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