2022 Fiscal Year Comments on the Screening Results
パレオゲノミクスによるマヤ文明コパン王朝のダイナミクス解明
Project/Area Number |
22H04928
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section A
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Research Institution | Komatsu University (2023-2024) Kanazawa University (2022) |
Principal Investigator |
中村 誠一 公立小松大学, サステイナブルシステム科学研究科, 特別招聘教授 (10261249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸幸 名古屋大学, 人文学研究科, 助教 (40273205)
中込 滋樹 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員准教授 (40625208)
市川 彰 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 准教授 (90721564)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Summary of the Research Project |
本研究は、パレオゲノミクス(古代ゲノム学)をアメリカの古代文明を代表するマヤ文明研究へ初めて本格的に適用し、被葬者「個人」の役割を再定位することによって、王朝の起源、崩壊要因また血縁関係や社会構造等のダイナミクスを解明しようとするものである。遺跡に埋まっている古人骨からゲノム情報を抽出して全ゲノム解析を行うことにより、従来の考古学研究では把握が困難であった事象に切り込む方法論は、人文学と生命科学が協働する先駆的な研究潮流の開拓と位置付けられる。
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Scientific Significance and Expected Research Achievements |
応募者は、既にホンジュラスにある世界遺産コパンのマヤ遺跡において独占的な学術調査権を持つ人骨資料の予備解析を実施し、十分なゲノム情報が得られることを確認しており、さらに同一試料を別の研究組織においてダブルチェックする体制も整えていることから、本研究計画の実現性は高い。王・王妃といった被葬者個人に焦点を当てたパレオゲノミクスが、碑文解読による王朝史にどのような再考を促すかという点において、マヤ文明に限定されない碑文学・文献学と考古学を架橋する理論的な考察も期待される。
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