2022 Fiscal Year Comments on the Screening Results
ニッチ構築によるヒト消化器疾患の発症・進展のメカニズムを解き明かす
Project/Area Number |
22H04995
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section I
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 俊朗 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (70365245)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Summary of the Research Project |
細胞に遺伝子変異などの変容が起こり疾患が引き起こされる一因として、細胞周囲の微小環境が知られている。応募者はこれまで、変容した細胞が周囲微小環境を作り変え(‘ニッチ構築’という)、腫瘍を含む消化管の種々炎症性疾患の発症の加速並びに進展の起点となるコンセプトを提唱している。本研究では、応募者が実績を持つヒト疾患組織由来のオルガノイド作製技術を更に発展させ、ニッチ構築を分子レベルで明らかにする。これにより、ニッチ構築が疾患発症や増悪進展にどのように寄与するかを理解し、その制御法の開発も目指す。
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Scientific Significance and Expected Research Achievements |
本研究では、消化管にとどまらず、肝胆膵、肺、甲状腺など多様な臓器由来オルガノイドの樹立を試み、オルガノイドバンクを構築する。細菌類や免疫細胞群などのニッチ構築を担う多種細胞群のオルガノイド共培養や、生体内長期イメージングなど高度な技術開発も含まれており、学術的意義が高い。また、解析対象の多様化や技術の深化によって、変容幹細胞によるニッチ構築と、ニッチによる幹細胞への影響という、双方向性作用による疾患制御を分子レベルで解明できれば、各臓器における多様な疾患の統合理解が進むものと期待される。さらに、新たな治療方法を確立する可能性もあり、医学的意義も高い。
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