2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K00204
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原口 健一 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (40727541)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多様性 / 木材 / 創造 / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、主に3つの課題①標本作成に際して有用なパターンの検討、② 木材標本に適した効果的な文字情報、視覚情報の検討、③効果的なレイアウト方法の検討を通して、我が国において古来より有用とされていた樹種について、その特性・用途を鑑賞者が触覚的に理解し、創作意欲を喚起する木標本作成を目指すものである。 研究2年目である2023年度は、①②③を複合的に連動することを目的に研究を進めた。令和6年3月7日から14日に、FEI ART MUSEUM YOKOHAMAにて「多彩な木による彫刻展」を開催した。本展示は、「樹種の違いは、カタチにどう影響するのか」「木の特性・用途のみならず、切る・彫る・削る・磨くなどの触覚的行為は、作品へどのように昇華されるのか」の2点をテーマに、木彫研究を進める現代作家11名それぞれ異なる樹種での木彫作品の展示を行うとともに、それぞれに使用樹種についての考察を提出してもらい、パネルにして作品と同時に掲示した。また、①の研究で作成した18種類の樹種による木彫手板の展示ブースを設け、実際に触ってもらうことで作品との関連性についてより理解を促すことを行なった。展示会は、従来の美術展とは異なった視点(樹種の違いを主眼とする)ことによって、美術に興味のある人だけでなく、環境や木材そのものに興味関心がある人へも、効果的なものとなった。会期中、アンケートも取っており、その内容からも大変好評であったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①標本作成に際して有用なパターンを定め、現在18種の樹種について見本手板が完成している。② 木材標本に適した効果的な文字情報、視覚情報について11名の美術専門家の知見を加えたデータ採取。③効果的なレイアウト方法の検討については、現場での展示方法について確認を行なった。しかし、資料化に向けて、現在入手可能および展示されている標本の情報が不足しているため今季の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、展覧会で得られた知見を資料化しつつ、①②③それぞれで得られた内容を統括し発表する展開を行う。仔細として、①については、引き続き木材加工の試行を続け、さらに多樹種による作成を行う。②については、情報収集および整理を引き続き進め、データ化する。③については、国内の木材関係事業所訪問、木材市場などの木材供給元等の見学を行い、資料の幅を広げる。発表については、研究会等での発表及び書籍化を視野に進める。
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Causes of Carryover |
展覧会業務に関わる作品搬送費用について、出品作品それぞれについて作家それぞれが扱う業者、方法が異なるため、費用金額を多めに設定していたため。また、当日の展示作業についても作家本人による陳列作業に何人が関われるか直前まで計画を立てることができず、手伝いのための人件費を計画していたため。使用計画としては、資料化(冊子作成)のための人件費及び充実化として、計画している。
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