2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K00288
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森岡 卓司 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (70369289)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 開拓文化運動 / 地方文化運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近代日本における開拓文化運動を研究テーマの中心とする研究会、「20世紀開拓文化運動研究会」をたちあげ、第1回(2023年11月1日)、第2回(2023年12月26日)、第3回(2024年3月1日)、第4回(2024年3月13日)の研究会を運営した。第1回では発表も担当し、近代以降の山形県および東北地方の開拓史を踏まえることで1950年代の基地闘争運動の文化的な側面をどのように捉えうるか、という観点から、全国的な動向を検討した道場親信氏の先行研究において示された知見の更新を試みた。第3回では、北海道教育大学の村田裕和氏をゲストに招き、アナキズム詩人研究の観点から、開拓文化運動の捉え直しを行う講演を依頼、そのディスカッサントを山形大学の奥村華子氏とともに担当した。第3回研究会はオンライン開催も併用し、国内外から20名程度の参加者があった。 このように、20世紀日本の開拓文化運動を検討するための拠点研究会を形成できたことが、本年度の最も重要な成果となる。関連する論文等について、一部は年度内に公刊されたが、もっとも関わりの深い論文に関しては、査読を無事に終えたものの、媒体の事情で年度内の公刊とはならなかった。現地訪問を伴う資料調査については、山形県内、首都圏各施設の他、長野県阿智村の満蒙開拓平和記念館への訪問調査を行い、植民地開発に伴う開拓文化運動を地域間で比較し分析するための資料の収集と研修を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響が残った2022年度までとは異なり、研究会の開催や運営については差し障りなく活動できるようになった。また、この間に伸展したオンライン技術を用いることで、研究関心を同じくするグループを地域的な障壁を超えて形成することが可能になり、また、資料の閲覧等についても利便性が増している。ただし、現地訪問を伴う資料調査や対面の取材活動については、空白期間となった3年余をへた現在でも、以前の状況を取り戻すことが難しい部分があり、新たな方針を模索することが必要と感じている。 研究成果公開にについては、2022年度の遅れを完全に取り戻すまでには至らなかったが、一定のペースに復することはできた。引き続き、最終年度の課題としても意識していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
「20世紀開拓文化運動研究会」については活動を継続し、異分野専攻の研究者の参画を求めることを含め、研究グループとしての広がりを模索したい。また、これを拠点として、学会におけるパネル発表、地域社会や、大学院生等より若い層の参加を主眼とした講演会等を行い、研究成果の社会的な還元を行う予定である。 論文等による成果公表についても引き続き努力するが、研究グループとしてのまとまりをもった論集公開等も選択肢としたい。 現地訪問調査の拡大には行き詰まりを感じており、とりわけ、重要な参照項目となるはずだった内灘の事例については、現在訪問調査を企画できる状況にないと判断している。研究調査の中心を東北地方に据え直し、全国的な動向との対照を念頭に置きながらの検討を行いたい。また、2023年度の研究成果として、開拓文化運動に関する通時的な視野が得られたことがあげられるが、これも以降の研究に有効にいかしたい。
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Causes of Carryover |
現地訪問を伴う資料調査に関して、困難な事情が生じたこと、研究成果発表(学会出張費等)の主要な部分が次年度に持ち越されたことを主たる理由として、当該年度直接経費の10パーセント程度の誤差が生じた。前者については次年度文献調査で補い、後者については次年度に研究成果発表を行うことで使用する計画である。
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Research Products
(2 results)