2023 Fiscal Year Research-status Report
アジアを訪れた日本人が書いた紀行・随筆に関する総合的研究
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22K00290
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
石井 正己 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (30251565)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 植民地 / アジア / 関東大震災 / 虐殺 / 安倍能成 / 鄭大均 |
Outline of Annual Research Achievements |
①2023年8月25日、26日、「日韓中の交流~1945年までの動き~」をテーマに日韓共同学術会議を開催した。開催に先立って、石井正己編『2023年日韓共同学術会議 日韓中の交流~1945年までの動き~』(東京学芸大学、2023年8月、全161頁)を印刷・発行した。8月25日は東京学芸大学を会場にして、1名の講演、13名の研究発表を行い、26日は復興記念館を訪問して、学芸員の解説を聞き、日本・中国・韓国の研究者の共通認識を深めた。②2023年は「関東大震災100年」にあたったので、朝鮮人・中国人の虐殺に関する問題を組み込んで研究を深めることにした。『震災を語り継ぐ』(三弥井書店、2023年3月)、『文豪たちが書いた関東大震災』(NHK出版、2023年10月)の著書で触れ、後者についてはNHKラジオで放送も行った。『関東大震災百年 文豪たちの「九月一日」』(清水書院、2023年7月)、『関東大震災 文豪たちの証言』(中公文庫、2023年8月)の編著でも取り上げた。「文豪たちの関東大震災13 流言飛語の犠牲者ら」(時事通信社配信、『高知新聞』2023年9月21日)の記事でも触れた。③韓国の龍仁大学校の「文化融合時代のアジア」のプロジェクトの中で、11月15日、オンラインによって「日本人は朝鮮をどう見たか」の講演を行った。この時の論文は、日本語・韓国語の併記で『アジア文化研究誌』に掲載される予定である。④「下川正晴著『忘却の引揚げ史―泉靖一と二日市保養所―』」(『時の扉』第48号、2023年3月)、「佐藤冬樹著『関東大震災と民衆犯罪』」(時事通信社配信、『陸奥新報』2023年10月21日)の書評を書いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら研究だったので、やはり現地の調査は控え、文献の収集と分析に力を注いだ。それによって、関東大震災時のアジアの動きを捉え、安倍能成の書いた随筆・紀行の全体像を把握し、鄭大均の編著書2冊を分析することによって、日本人の朝鮮観が多様であったことを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたので、2024年8月には韓日共同学術会議に参加して研究発表を行うとともに、現地調査を行って資料を収集し、研究者との学術交流を深める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の状況を見て、現地調査を控えてきたが、状況が落ち着いてきたので、2024年8月には韓日共同学術会議に参加して研究発表を行うとともに、現地調査を行って資料を収集し、研究者との学術交流を深める予定である。
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