2022 Fiscal Year Research-status Report
文化資源による日本神話受容史の構築―戦前絵葉書にみられる意匠を中心に―
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22K00300
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小林 真美 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 准教授 (30548144)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 古事記 / 日本書紀 / 風土記 / 受容史 / 文化資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究を実施するにあたっては、本課題の研究における初年度にも該当しうることから、まずは、既に一度調査済みである、本研究に関する総合的な考察に取り組んだ先行研究のないことを、改めて確認した。加えて、これまでに刊行された新たな図書や論文資料に関する現状の把握にも努めた。 その上で、当該年度の中心課題である写本・版本等の掲載経緯と受容に関する研究として、『古事記』最古の写本である「真福寺本『古事記』」に軸を置き、掲載状況や経緯の解明に取り組むことを中心とした。また、予備研究としては、公的な催事に注視し、事物における題材の調査に関しても、情報の収集を行なった。 当該年度の前者に関する成果として、本研究の準備段階より着手していた、真福寺寶生院(愛知県)発行の絵葉書に関しては、二種類ほど存在することが明らかとなった。そのうち、比較的経年のある一種類については、意匠などより、同院所蔵の『将門記』のそれと、ほぼ同時期の発行と推測しうること、加えて、「参拝記念章」の印を捺した例も複数みられることから、近代の同院内において、所蔵する貴重写本に対する意識が極めて高いものとなり、その観光資源化にも繋がったことを理解した。また、一種類の絵葉書に関しては、昭和期に発行されているが、愛知県内の他所における催事を示す印を付していることから、同院外の場所においても販売されたことも明らかとなった。 加えて、準備段階においては、十分に把握し得ていなかったが、所蔵機関の同院ではなく、別の団体が発行した当該写本の絵葉書の存在も判明した。これにより、同写本を掲載する絵葉書の流通が、同院を介在しない場合もみられることを理解した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、当該年度に、真福寺寶生院などにおける実地調査を行う予定であったが、校務の予期し得ぬ超過もあって、研究時間の捻出や、遠方への外出が難しく、達成し得ずにいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、別の団体が発行する同写本に関する調査を、重点的に行うこととする。 また、本年度にかなわずにいた、遠方における調査に関しても、より効率的な方法にて取り組むことができるよう、入念に計画を練ることとする。
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Causes of Carryover |
遠方への調査に赴くことができなかったため。 日帰りによる方法も含め、実地調査に取り組むこととする。
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